貴乃花、朝青龍に〝最後通牒〟横審委員長務めた渡辺恒雄氏 稽古総見で爆睡も「神秘的だ」朝青龍には「引退勧告だ!」の大爆発
渡辺恒雄氏は日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会の委員を1991年7月から14年間にわたって務め、2001年から2年間は委員長として強力なリーダーシップを随所で示した。 【写真】朝青龍に「どんどん似てきている」甥の豊昇龍とその家族 02年名古屋場所後の定例会では、右膝半月板手術から7場所連続で全休していた横綱貴乃花に対し、「来場所再び土俵に上がって、復活してもらいたい。横綱の責任を全うできないときには、自ら進退を決してもらいたい。3番から5番取っての休場はありえない。横綱なら12、13勝するのは当たり前」と最後通告。貴乃花は翌秋場所で12勝して復活を果たした。 一方で、03年初場所前の稽古総見では稽古内容が低調だったのか、最前列で爆睡。この場所限りで引退することになる貴乃花が四股だけ踏んで相撲を取らなかったことについて、「(総見で土俵に)上がらず活躍することもある。あの人ばかりは神秘的だ」と話すと、このコメントとともに口を開けて寝ている姿が各紙で大きく掲載された。 03年末に横綱朝青龍がモンゴルへ無断帰省し、先代高砂親方(元小結富士錦)の葬儀に欠席すると、翌04年初場所前の稽古総見で「今度やったら引退勧告だ!」と新年早々の大爆発。慌てた朝青龍は夏場所後の総見で直々に謝罪した。 八角理事長(元横綱北勝海)は「大相撲に深いご理解と愛情を示され、相撲文化の振興に努められた」とコメント。プロ野球史上屈指の名物オーナーは、大相撲史にも残る横審委員だった。(塚沢健太郎)