新世代プロ棋士「28連勝」藤井聡太四段はどこまで強くなるか?
史上最年少でプロ棋士となった将棋の藤井聡太四段(14)が21日の王将戦予選で勝利し、歴代1位タイ記録となる公式戦28連勝を達成しました。デビュー戦から負けなし。6月2日の棋王戦予選で苦しめられた難敵・澤田真吾六段(25)を破っての快挙でした。 【写真】将棋界に世代交代の波? 「羽生世代」は曲がり角の時期なのか 藤井四段以前に中学生でプロ入りを果たした棋士は羽生善治三冠など過去4人いますが(別表参照)、いずれも「名人」または「竜王」などのタイトルを獲得しており、藤井四段についても「今後、非常に高い確率でタイトル獲得は実現するだろう」と多くの将棋関係者が見ています。特に注目されるのは第30期竜王戦で、藤井四段はこの連勝中に本戦出場資格を得ており、あと6人を連続で倒せば、渡辺明竜王への挑戦できる位置にきています。
14歳でプロ入り、羽生三冠「すごい人が現れた」
藤井四段は2002年生まれ。5歳で将棋を教わり、詰将棋の解答の早さなどもあって年少時代から注目されていました。2016年にはプロ棋士の養成機関である「奨励会」の三段リーグでトップとなり、14歳2か月でプロ入りを果たします。加藤一二三九段が持っていた14歳7か月でプロ棋士という記録を62年ぶりに破ったことで、さらに期待感が高まりました。2016年12月のデビュー戦ではその加藤九段と対戦し公式戦初勝利。以後半年にわたって公式戦で勝ち続けています。 また、エキシビション対局として羽生三冠を含む7棋士と対戦する「炎の七番勝負」も行われ、6勝1敗で大きく勝ち越し、羽生三冠にも勝利したことが話題になりました。エキシビションとはいえ、新人でいきなりトップクラスの棋士と対局が組まれるのも異例のことで、「中学生プロ棋士」の注目度の高さを示しています。 プロ間の評価もうなぎのぼりで、羽生三冠が「すごい人が現れた」と評したほか、「新人時代の強さとしては当時の羽生さんを上回っているのでは」という声も出るほどです。藤井四段は居飛車党の本格派でミスが少なく、終盤の強さと鋭い攻めの踏み込みが目立つ一方、意外なタイミングで相手の手を受けて(守る)、勝利を引き寄せる面も目立ちます。