嘘ニュース「円周率ついに割り切れる」「次の首相、1位はネコ」のみ取り扱うサイト『虚構新聞』がウソかホンマか20周年!?時代を先取りした『社主』はフェイクや生成AIあふれる現代に何思う…
ネット上の「コタツ記事」に思うこと
UK氏:書き手やジャーナリストの方からすれば「取材もせずにけしからん」という思いはあるでしょうし、私個人としても問題があると思っていますが、現実問題として、読む側の大半はそこまで問題視していないのだろうとも感じています。 というのも、今年1月に「暖房器具研究家 こたつの裏ワザ暴露『赤いランプを青いランプに変えると…』」という記事を出しました。 これは、「架空の専門家がXで呟いた『こたつ』の話を紹介」→「それに対するフォロワーの反応を紹介」という『コタツ記事テンプレート』を用いて、コタツ記事を風刺する、という意図なのですが、読者からの反応は「こたつのランプの色が変わっても冷房にはなりませんよ」という直球コメントばかりで、これがコタツ記事への皮肉だということに気付いてくれた人が少なかったんです。 そこで感じたのは、コタツ記事というのはあくまで書く側やターゲットにされたタレントさんが懸念しているだけのことで、良し悪しは別として、読者にとってはそれなりに需要があり、受け入れられているという事実です。読者の多くが問題視していないから「コタツ記事」という用語もまだそこまで浸透していない。 個人的には取材も裏付けもない、志の低い記事だと感じますけど、事実としてそれが多く読まれ、受け入れられている現実をどう受け止めるかですよね。
「以前より、広告収入がPV数に対して減少した」ネット界の今後は?
――今後、インターネットの記事はどうなっていくと思いますか? UK氏:以前に比べて、ネット記事の広告収入がPV数に対して減少しています。なので、参入している新聞社や企業も「質より量」で減った収入分をカバーしているのが現状なのかなと考えています。コタツ記事が量産されているのもその一環でしょう。 ただこの先、コタツ記事でも足りないくらいに広告単価が下がって、広告収入で採算が取れなくなれば、撤退するメディアも増えてくるのではないかなと。PV数ではなく、記事の質に対して正当な対価が与えられる仕組みが確立すればいいですけど、「ネットで食っていく」という考え方そのものを見直す時期に来ているようにも感じます。