綾瀬はるか、『ルート29』“相棒”の大沢一菜にサプライズで手作りフォトアルバムをプレゼント!渡した直後に「もうちょっと絵を描きたい…1回引き取らせてください」とお願い
綾瀬はるかが主演を務める映画『ルート29』の公開記念舞台挨拶が11月9日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、綾瀬をはじめ、大沢一菜、市川実日子、森井勇佑監督が出席した。 【写真を見る】綾瀬はるか、フリルがキュートな純白ワンピース姿で登場 監督デビュー作『こちらあみ子』(22)で第27回新藤兼人賞金賞をはじめ、数多くの賞を受賞した森井監督の最新作となる本作。他者と交わろうとしないひとりぼっちの“トンボ”ことのり子(綾瀬)が、風変わりな女の子ハル(大沢)を連れて旅に出る姿を描く。森井監督は、中尾太一の詩集「ルート29、解放」からインスピレーションを受け、姫路と鳥取をつなぐ1本の国道29号線を1か月近く実際に旅しながら独創的なオリジナル脚本を書き上げたという。 上映後の会場に姿を現した綾瀬は、「不思議な映画だったでしょうか」と笑顔を見せた。独特かつ豊かな空気感に包まれた映画となったが、「1か月半くらいをかけて、鳥取で29号線を旅するように撮っていた。暑くて撮影は大変だった部分はあるんですが、一緒に虫を採ったり、大家族の夏休みのヌーの移動みたいな」と自然と溶け合うような撮影を楽しそうに回顧。順を追って撮影を進める“順撮り”にこだわっていたという森監督は、「綾瀬さんと大沢さんのドキュメント的なリアルな距離の縮まり方。そういうものがほしいなと思っていました。無理やりやるのではなく、時間をゆっくりかけながら作っていければと思っていました」と綾瀬と大沢の関わり合いが、キャラクターにも投影されたと話していた。 また綾瀬は、本作で新境地に挑んだという。「これまではアクションだったら稽古を積んで、監督が細かく、厳しく、立ち位置まで決まっていたり。そうやって積み上げていくという作業がすごく多かった」そうだが、「今回は、いままでの経験を全部削ぎ落とすという作業のような感じがして。“無”にならなければいけないんだと思って、“むきたまご”になった感じです」と表現して会場も大笑い。「ただ、いるという。セリフも考えない。宇宙から降りてきたらしゃべるみたいな感じで。すべてを委ねるという境地に挑んでいました」と話していた。ハルの母である理映子役を演じた市川と綾瀬はステージでも仲良く会話を繰り広げていたが、綾瀬は演じるうえでも市川にいろいろと相談したという。市川は「(綾瀬が)部屋に一人でいる時のような役を見てみたいなと思っていたので、脚本を読んですごく楽しみでした」とワクワクしたと打ち明けていた。 ハル役の大沢は、もともと綾瀬の大ファンだったとのこと。「監督が言ったことを、トンボさんは100倍解釈してやっている。私はたまに監督がなにを言っているかわからない時は、流してやっているんですけど、トンボさんが100倍解釈してやっている演技を見習いたいと思いました」と刺激を受けることも多かった様子。「いやいやいや」と恐縮した綾瀬は、「一菜ちゃんの顔を見てわかることがあった。監督が言っている世界って、そういうことなんだなと感じた。一菜ちゃんを見習いました」とこちらも大沢からたくさんのことを学んだと感謝を伝えた。また『こちらあみ子』における大沢の演技を見て「魅力の塊だと思った」とう市川は、「実際にお会いしてみたら、大きくなられていた。カッコいいと思った」と『こちらあみ子』からの成長ぶりに惚れ惚れ。大沢は、同作のころから「20センチくらい」背が伸びたことも告白していた。 トンボとハルの旅路を見つめた森監督は、「目が似ている」と綾瀬と大沢の共通点について分析。「まっすぐ、直接、世界を見ているような目をしている。それは純粋さから来るものなのかなという気がしています」とどこか似ている2人が、すばらしい化学反応を起こしているという。この日は綾瀬から大沢へ、サプライズで手作りのフォトアルバムをプレゼントするひと幕もあった。大沢は「最高です」と喜びを噛み締め、大切そうにアルバムを抱きしめながら「宝物にします」と感激しきり。綾瀬は「いろいろ、どういうのが好きなのかなと考えながら作って。もうちょっと絵を描きたいなという気持ちもあるので、あとで1回引き取らせてください…」と引き取りを希望して、大沢や会場を笑わせていた。最後に綾瀬は「ハルがいつも自由で、いろいろな変な人が出てきても否定せずに受け入れていく。シンプルな言葉のなかにやさしさがあって、ハルみたいになりたいなと思う映画でした」とたっぷりと愛情を傾けていた。 取材・文/成田おり枝