中谷美紀 野菜中心の食生活がヘルシーだと信じて疑わず、お肉や卵を控えていたら…「よかれ」と思って摂取していたものが仇に、控えていたものが最も必要なものだった
2018年にドイツ人ヴィオラ奏者のティロ・フェヒナーさんと結婚した女優の中谷美紀さん。現在では一年の半分を日本で、残りをオーストリアで過ごすという二拠点生活を送っています。オーストリアでは庭造りにご近所付き合いなど、ちょっと不便だけれど自由な日々を楽しんでいるという中谷さん、実はこのところの体脂肪の増加に危機感を覚えているそうで――。 【写真】「国際結婚、夫の一人娘…。自分を変えたオーストリアの新しい家族」について語る中谷さん * * * * * * * ◆メタボの大食い かつては「痩せの大食い」で通っていたものの、このところ体脂肪率が25%を優に超えることも多くなり、「メタボの大食い」と呼ばれる日も決して遠くはないと危機感を覚えている。 もう10年近く前のことではあるけれど、魚介や卵は時おり口にするペスコ・オボベジタリアンを6年ほど続けた後に、体力の著しい低下と、次から次へと顔面に表出する大人のニキビにずいぶんと悩まされた。 藁をも掴む気持ちで訪れた分子整合栄養医学と称する栄養療法の専門医は、血液検査の結果にさっと目を通しただけで「あなた、炭水化物の取り過ぎです。それからお肉を食べていないでしょう? たんぱく質も、ビタミンB群も、鉄分も、コレステロールも全て不足しています」と、日々の食生活をみごとに言い当て、我が家を盗撮しているのではないかと疑いたくなったほどだった。
◆空腹感を炭水化物で紛らわしていたら 当時、たんぱく質はお豆腐や納豆、魚に卵で十分足りていると思っていたし、野菜中心の食生活はヘルシーだと信じて疑わず、お肉をいただかないことによる空腹感を炭水化物で紛らわしていたものだから、ご飯はお茶碗に3杯くらい構わず平らげていたし、パスタも100グラムでは物足りず、右手で大胆に一掴み、150グラムほどは余裕で食していた。 もしも香川県在住であったなら、朝昼晩とおうどんを3玉ずつは食べていたであろうし、実際、時代劇にてかつらを被るために、ふくよかな顔立ちにしようと、喜び勇んでおうどんや白米を口にしていたのだった。 ところが、「甘い物と炭水化物は、血糖値の乱降下の原因になりますし、糖質がビタミンB群を大量に消耗するのに豚肉を食べないから、B群が不足して疲れやすかったり、インシュリンが働き過ぎて低血糖となり、その結果、血糖値を上げようとアドレナリンが分泌されるためにイライラしたり、ニキビができやすくなるんですね」と先生。