雨の小京都に素朴な調べ 南砺・城端むぎや祭
富山県南砺市の秋を彩る第72回城端むぎや祭が15日、同市城端地域中心部で開かれ、「越中の小京都」と呼ばれるまちに哀調を帯びた音色が響いた。時折激しい雨の降る中、大勢の観光客が心に染み入る五箇山民謡の素朴な調べを堪能した。 むぎや踊り競演会は、城端別院善徳寺と城端伝統芸能会館じょうはな座で開かれ、町内や団体ごとに「麦屋節」や「古代神」「お小夜節」などを披露した。紋付きはかまの男性は切れのある動きで、着物姿の女性はしなやかに舞った。能登半島地震で被災した石川県輪島市にゆかりのある「お小夜節」は、復興の願いを込めて届けられた。 強い雨が断続的に降り、善徳寺に設けられた特設ステージでは、何度も中断。雨の合間に力強い男踊りとあでやかな女踊りが披露され、観客を魅了した。 西町通りで行われる予定だった「総踊り」は、雨で中止になった。祭りの来場者には「むぎや節新歌詞」が染め抜かれた手拭いが配られた。 同祭は1951年に始まった。例年2日間にわたり開かれてきたが、70回を迎えた2022年から1日だけの開催となった。 城端むぎや祭協賛会主催、北日本新聞社共催。