【MLB】 菊池雄星がエンゼルスと3年6300万ドル(約97億)で契約合意 エンゼルスの積極補強続く
日本時間11月25日、アストロズからフリーエージェントとなっていた菊池雄星がエンゼルスと契約したことを「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者が伝えた。契約総額は3年6300万ドル(約97億円)。 【動画】菊池雄星の12奪三振
33歳の菊池は今季、ブルージェイズとアストロズでプレー。32先発で防御率4.05、9勝10敗という成績だった。7月のトレードデッドラインでアストロズに移籍してからは、10先発で防御率2.70と安定感を増し、キャリアハイの206奪三振、K%(打者一人あたりの奪三振率)28.0%、総合指標fWAR3.5をマーク。FA市場の中でも高く評価され、米移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」では今オフのFA選手ランキングで12位に入っていた。 3年6300万ドルという契約規模は、菊池のバリューを考えれば妥当と言える。同じ30代半ばの先発3番手級の投手では、2023年にクリス・バシットが3年6300万ドル、ソニー・グレイが3年7500万ドル、セス・ルーゴが3年4500万ドルの契約を結んでいる。菊池はより良い契約を結ぶ余地があったかもしれないものの、今オフはFA市場の先発投手の層が充実しており、それが早めの決断に繋がった可能性がある。 1999年以来の地区最下位に沈んだエンゼルスは、今オフも精力的に動いている。菊池の契約は、カイル・ヘンドリックス、ケビン・ニューマン、トラビス・ダーノウに続いて4件目のFA獲得。ローガン・オハッピー、ザック・ネト、ホセ・ソリアーノといった若いコアプレイヤー候補が芽を出しており、脇を固めるベテラン選手を補強して再建のサイクルを加速させたいところだ。菊池の獲得により、先発ローテは菊池、ソリアーノ、タイラー・アンダーソン、ヘンドリックス、リード・デトマーズ、ジャック・コハノウィッツ、ケイデン・デイナといった面々に。菊池やヘンドリックス、アンダーソンといったベテランがイニングを消化して試合を作るかたわらで、デイナのような有望株投手の育成を促進するのが最善のシナリオになる。 ア・リーグ西地区はアストロズの王朝に綻びが見られつつあり、来季以降は混戦模様となるはずだ。エンゼルスが再建を終了させ、菊池の契約期間で「メジャーで最もプレーオフから遠ざかっている球団」という不名誉な称号を返上する可能性も十分あるだろう。