救急救命士目指す柴田の2年・菅野、2打点の活躍 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第5日の24日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、春夏通じて初出場校同士の対戦となった第2試合は柴田(宮城)が京都国際に4―5で敗れ、甲子園初勝利はならなかった。柴田は4番の菅野結生一塁手(2年)が2打点をマークするなど活躍したが、延長十回の末に惜敗した。 【柴田vs京都国際の試合を写真特集で】 救急救命士になることが夢という先発メンバー唯一の2年生が、2打点をマークした。自然豊かな宮城県柴田町の公立高である柴田の4番に座るが、「後ろにつなぐことを意識した。大きい当たりではなく、単打でつなぐイメージ」。その姿勢が、実を結んだ。 1点を追う七回2死一、三塁。外角の変化球に対して「開くのが早かったが、最後までボールを見た」。バットの先っぽだったが、打球は左前に落ちた。同点適時打。自分が仕留めるというつもりだったら、凡打に倒れていた可能性は高い球だった。中前打を放った一回に続く打点をマークし、試合を振り出しに戻した。「チャンスに強い」(平塚監督)という理由で4番に抜てきされているが、期待に応えた。 悔いが残るのは、同点で迎えた九回1死二塁のサヨナラ機での凡退だ。低めの球に手が出て空振り三振。「4番を任せてもらっているからには全打席出塁したかった」。この回無得点に終わり、延長十回に勝ち越されて敗北。勝利のヒーローにはなれなかった。 それでも、東日本大震災10年の節目に甲子園の舞台で快音を響かせたことには、大きな意味がある。将来的には「震災もあって、人を助ける仕事に興味がある。人を助けられる人になりたい」。そんな、もう一つの夢も描く。【高橋秀明】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。