パリオリンピック女子バレー ブラジル戦完敗の現場で古賀紗理那は感情を抑えるように語った
【ネーションズリーグとはまったく違った】 「自分たちのいいオフェンス展開を作り出せていなかったのが多かったかな、と思います」 リベロの小島満菜美は、そう説明していた。 「今年勝てた試合は、サーブで主導権を握れた展開だったんですが......。相手にパスを返されて、ミドルで切られるケースもありました。サーブで崩しても、相手が乱れた状況でのブロックディフェンスがあまり機能せず、その時に決められたケースも多かったと思います。いい時はいつでもみんな声が出ていて、動きもどんどん良くなるんですが、今日は我慢の時間が多くて。ひとりひとりにもう少しエネルギーが必要だったのかなって思います」 相手のサーブに押されるように失点を重ねると、日本は失速した。2セット目が17-25、3セット目も18-25と挽回できなかった。 「大一番で準備してきたんですけど、この結果になって悔しいです」 セッターである岩崎こよみは悲痛な表情でそう洩らした。 「ブラジルは自分たちに前回(今年6月のネーションズリーグ準決勝)、負けているし、オリンピックで気合が入っているところもあったと思います。前回、うまくいっていた攻撃がマークされるな、とは思っていましたが......。そうなった時の手数が少なかったかな、と思います」 ブラジルはリベロのニエメ・コスタ、オールラウンダーのガブリエラ・ギマラエス(ガビ)を中心とした高いディフェンス力でサーブを凌ぎ、ラリーにも耐えた。南米最高のセッター、ロベルタ・ラツキにAパスが入ると、高さを生かしたセットアップ。攻守両面で日本をねじ伏せたと言えるだろう。 「大切な試合と、わかって入りました」 古賀は感情を押し殺したような声で言う。 「私たちも必死にプレーしています。でも、今回で言ったら、初戦はポーランドのほうが必死で、苦しいところでも......。私たちは、ここを我慢したら抜け出せる、というところで、精度が落ちちゃっていました。その細かいところを(ブラジル戦は)修正しよう、と言っていましたが......」