〔東京外為〕ドル、160円台後半=実需買いで上昇(28日午前9時)
28日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需の買いなどで、1ドル=160円台後半に上昇した。午前9時現在は、160円70~71銭と前日(午後5時、160円54~55銭)比16銭のドル高・円安。 前日の米国時間の序盤は、1~3月期米GDP確定値の個人消費の下方修正で景気減速懸念が広がり、160円20銭台に下落した。その後は、月末と四半期末によるドル買いフローが膨らんだほか、ユーロ円の上昇に連れ高となり、終盤には160円80銭台へ水準を切り上げた。28日の東京早朝も、同水準で推移している。午前8時半に発表された5月の東京都区部コアCPI上昇率は、前年同月比2.1%と市場予想の2.0%を小幅に上回ったが、ドル円は反応しなかった。 ドル円は、特段の買い材料は見当たらない中、実需買いと史上最高値を更新したユーロ円に連れ高となり、約38年ぶりの高値圏を維持した。ボウマンFRB理事が、インフレの高止まりを理由に、利下げに否定的な見解を改めて示したことも、ドル円を支援した。 東京市場も、月末と四半期末で駆け込み的なドル買い・円売りフローが膨らむ可能性があるが、週末による利益確定や持ち高調整の売りも出やすく、方向感は定まらないもよう。米国時間にFRBが重視する5月のPCE物価指数や6月のシカゴPMI、ボウマンFRB理事の討論会など手掛かり材料を多く控えていることも、投資家の見送りムードを強めそうだ。市場からは「PCE物価を受けてドル高・円安の流れが変わる可能性がある」(FX会社)との声が聞かれた。 ユーロは対円、対ドルで上昇。午前9時現在は、1ユーロ=172円07~08銭(前日午後5時、171円61~62銭)、対ドルでは1.0707~0707ドル(同1.0689~0690ドル)。