上京した30代の息子が生活保護を受けるらしく「扶養照会」が届きました…年金暮らしですが、生活の面倒を見てあげた方がいいのでしょうか?
生活保護を申請すると、親族に「扶養照会」が行われることがあります。扶養照会の書類が届いた場合は、自分が年金暮らしで経済的に余裕があるとはいえない状況であっても、援助を行ったほうがいいのでしょうか。 本記事では、生活保護の受給要件の一つである「親族による扶養」について、扶養照会の審査内容とともに詳しくご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護の受給要件にある「扶養義務者の扶養」とは?
生活保護とは、さまざまな事情により経済的に困窮している人が、一定の要件を満たすことで利用できる制度です。 受給要件には「資産を所有している場合は活用すること」「働ける場合は能力に応じて働くこと」などがありますが「扶養義務者による扶養」についても挙げられています。生活保護を受ける前に、親族などに生活費の援助を依頼できる場合は依頼して、援助を受けることを優先すべき、というものです。 ただし、親族がいるからといって、必ず援助を受けなければならないというわけではありません。生活保護の申請をすると、扶養義務がある親族に対して、援助が可能かどうかの確認が行われます。
親族のもとに届く「扶養照会」とは?
扶養義務のある親族に対して行われる確認のことを「扶養照会」といいます。 保護の申請が行われた際に、夫婦または中学3年生以下の子の親は「重点的な調査の対象」となるため、福祉事務所のケースワーカーによる立ち会いのもとで扶養できないかを照会します。そのほかの扶養義務者については、書面での照会を行う場合がほとんどです。 ただし、事情により「直接照会することが適切ではない」と判断される場合は、扶養照会自体が行われません。 厚生労働省によると、該当する扶養義務者が被保護者や社会福祉施設入所者、長期入院患者である場合や、非稼働者である場合、未成年や70歳以上の高齢者である場合などは、扶養照会が行われない可能性があります。 また、申請者と対立関係にある場合や、長年音信不通の状態が続いている場合なども同様です。