進撃の巨人ED曲で話題「cinema staff」故郷・岐阜が大切
思い出の場所は南山大学のアメプレ
今回のライブ前に、改めてcinema staffの結成当時からの話をじっくり聞かせてもらった。まずバンドの結成のきっかけは、高校1年の時に地元のライブハウスで偶然出会った飯田と辻が意気投合したところに遡る。 飯田は、同じサッカー部で、中学の頃からずっと楽器をやっていた三島にも声をかけた。「学校が終わると、三島や辻と一緒に、地元にある金公園や岐阜駅の南口で弾き語りをやってました。友人たちが集まってくれたこともあります」 その後、3人はそれぞれ名古屋の大学に進学。愛知県出身の久野は、三島と同じ南山大学のアメリカ民謡研究会(通称:アメ研)という音楽サークルで出会うことに。「ある日、三島から曲を覚えるためのデモCDを渡されて、スタジオも決まっていて呼び出され、知らんうちに入った感じですね」とcinema staffに加わった経緯を笑って話す。 大学に入ると、彼らはさらに音楽にのめり込んでいき、ほとんど毎日ライブハウスかサークルの部室にしか行ってなかったという。 久野:アメ研の部室を借りて、cinema staffのメンバーで練習もしてたので、部室は思い出深いです。 三島:あ、部室のことをアメプレって呼んでました(笑)。アメ研プレイスだから。サークルの雰囲気がハードコアとかメタルとかだったんで、暗くて空気がよどんでました…。 久野:そこをちょっと出ると華やかな女の子とかいてちゃらちゃらした感じもあるんですけど、僕らのとこは吹きだまりみたいな場所でした(笑)
最初はとにかく生活が苦しかった
彼らが具体的にプロを意識したのは大学2年の時のこと。2007年、cinema staffが東京でライブを行った時に、今の事務所のスタッフが偶然見に来ていて、声をかけられたという。その後は、大学に通いながら精力的にバンド活動を続け、2011年に上京。2012年にメジャーデビューを果たす。 三島:上京してすぐは、とにかくお金がなかったです。上京する前にメジャーデビューの話があってなんとかなると思ってたんですけど、意外とうまくいかなくて。しかもお金貯めて行ったわけでもなくそのままポーンって行っちゃったんで、生活が苦しかった。かつては地元に帰りたいってすごく思ってましたよ。 飯田:お金がないから、大事なライブの前日も夜中までバイトしてたりして…。でも音楽のために上京してるんで、バンド自体はうまくいってたなと思います。4人でいる時はみんな前向きに発言してくれたりして、4人で頑張ってるぞって気持ちになれましたね。メジャーデビューして、今はやっぱり音楽で生活できていることが嬉しいですね。 そんなさまざまな苦しみを乗り越えながら、故郷を見つめ、前向きに音楽と向き合う中で生まれたのが2ndフルアルバムの『望郷』。特に1曲目に収録される「望郷」の「その孤独と手を取り合うあなたはとても美しい。でも、未来と手を取り合うあなたは更に美しいでしょう。」という歌詞は、夢を抱いて故郷を離れた人々の心を優しく包んでくれるだろう。 ジャケット写真の景色は、彼らの故郷である岐阜の町並み。三島がロケハンし、写真家をしている後輩を連れて、金華山ドライブウェイの展望台から撮影したのだそう。