「ご褒美がないですと!?」ショックのあまりに飼育員さんに思わず憤慨してしまう動物園のパンダ…
「ご褒美がないですと!?」
かわいらしい「あ~ん」を疲労してくれたのは、連載36回目(https://gendai.media/articles/-/85410)。公式ツイッターではハズバンダリートレーニングで、口をあける練習をしている姿が紹介されていました。そのときの命令語が「あ~ん」。「口を開ける動作のかけ声が、あ~ん以外に思いつかなかったんです」と、梅元さん。 ほかの動作のかけ声はどうなのでしょうか。停止する動作には「ステイ」、あおむけには「ダウン」を使います。「ダウンと言った後は、一瞬めんどくさい~やるの~? というような表情をしますが、タンタンはちゃんとやってくれますよ」と、梅元さん。ダウンのポーズが一番嫌いなんですよね、お嬢様。 床におなかをつけて、じっとする動作には「フセ」。「しゃがめ! のような、命令語にしたくなかったので、犬の訓練にも使う、フセにしました」(梅元さん)。フセは心電図を取るために必要な動作で、心臓疾患のあるタンタンには、とても重要なポーズなのです。 こうして賢くトレーニングをこなすタンタンですが、トレーニング途中にご褒美のリンゴがなくなってしまい、ショックを受けるタンタンの様子がツイートされていました。リンゴが途中でなくなることはよくあり、その場合は、新しいものを取りに行きますが、トレーニング中に梅元さんが目の前からいなくなると、タンタンはどうしたらいいかわからない。そこで、あの表情となるわけです。 そして、タンタンはリンゴの種の部分が大嫌い。一度口に入れても、種の部分が多いとペッと口から出すのだそうです。「これじゃ、言うこと聞けませんという表情をしますね。丸ごと与えたときは、種も一緒に丸かじりするのに……」と、梅元さん。なんともグルメなお嬢様なのです。 取材日には淡河のトウチク(唐竹)のタケノコを3本も平らげたタンタン。いつも通り、室内のタイヤに座ってお食事です。タケノコを食べ終わった後は、お隣の部屋との壁ぎわの床にゴロンと転がってお休み。 その後のごはん交換では、入り口に控えめなおみ足を伸ばして精一杯の抵抗を。中を警戒していたようです。その後、無事に食事をすませて、おなかいっぱいで床に転がりタンタンを、隣の部屋の壁越しに見守る梅元さん。この日もまったりと過ごしたお嬢さまなのでした。 NEXT:次回は2024年7月3日(水)に、お届け予定です! ※今回のおまけ写真は、2022年1月に撮影したものです。 <動物園の基本情報> 神戸市立王子動物園 〒657-0838 兵庫県神戸市灘区王子町3-1 TEL : 078-861-5624(代表) 公式ホームページ:https://www.kobe-ojizoo.jp 公式Twitter(@kobeojizoo):https://twitter.com/kobeojizoo
二木 繁美(パンダライター&イラストレーター)