「ご褒美がないですと!?」ショックのあまりに飼育員さんに思わず憤慨してしまう動物園のパンダ…
七夕のごちそう
連載35回目(https://gendai.media/articles/-/85156)は、2021年の七夕を紹介。休園日であいにくの雨でしたが、飼育員の吉田憲一さんから、ごちそう付きの七夕飾りがプレゼントされました。寝台の柱にくくりつけた竹飾りに、カットしたリンゴ約10切れと、大きなブドウを10粒ほどセッティング。寝台の上に颯爽と登場したタンタンは、まず大好きなリンゴに手を伸ばしてパクリ。ガサガサと竹を探って次々にくだものをゲットしていきました。 その後は、さらなるくだものを手に入れるため、立ち上がって竹の中に頭を突っ込みます。 一瞬「もうないのかな」という様子で動きが止まりましたが、タンタンはあきらめませんでした。気を取り直して竹を揺らし、ポロッと落ちたリンゴをゲット。まるで宝探し。素敵な七夕の贈り物になりました。 タンタンへのごちそうを作る際に、気をつけていることを、梅元さんにうかがうと「一番は、タンタンにケガをさせないようにということです。飾りの竹を固定するのにも、丈夫な針金ではなく、麻ひもを使用しています。基本的に、タンタンが触ったり、口にしたりしても大丈夫なものだけを使います」と話します。 おいしいものだけではなく、薬も毎日キチンと飲んでいるタンタン。この時に服用していたのは、血管拡張剤と強心剤です。以前は、苦い薬を吐き出すこともあると聞いていましたが「タンタンは、ちゃんと薬を飲んでいますよ。味にも慣れてきたのか、吐き出すこともなくなりました」と、梅元さん。 「人間なら朝夕と決まった時間に薬を飲みますが、タンタンには1日分の量を、あげられるタイミングで与えています。量に関しては、健診結果に応じて調整しています」(梅元さん)。加齢による心臓疾患なので、治療と言うよりは現在の安定した状態を続けて行くための投薬になりますが、しっかりしたケアのおかげで、いつも通りの状態で過ごせています。 取材時の神戸のお天気は、曇りのち雨。でも、空調が効いたタンタンのお部屋は快適です。雨の日が続き、外へ出られていませんでしたが、お部屋でゴロゴロするのが大好きなタンタンにとっては、苦にならないのだそう。寝台でゴロゴロした後は、圧タンでごはんをゲット。ニンジンを両前あしに持つ二刀流スタイルでおいしくいただきます。 お次は竹をモグモグ。豪快に竹の葉をちぎる様子を見て、子どもが「パンダって、強い歯があるんやね」と感心していました。外は大雨で雷も鳴っていましたが、タンタンは我関せず。大好きなお部屋でゴロゴロと過ごしていました。