【高校野球勢力地図・沖縄】興南が筆頭! 沖縄尚学が追う エナジック・ウエルネス沖縄・未来沖縄の新鋭校、宜野湾にも注目!
世代最強投手、田崎を擁する興南、2年ぶりの聖地帰還へ
2023年の沖縄の高校野球は、沖縄尚学が春夏連続で甲子園に出場した1年だった。今年は興南を中心に激戦が予想される。 【一覧】2024年シーズンの沖縄県・主要大会スケジュール 興南は、2022年秋は沖縄尚学に1対8で敗れると、1年生中央大会ではエナジックに3対6。さらに2023年春は未来沖縄に4対8、夏の選手権沖縄大会でも日本ウェルネス沖縄に0対1と、他のライバル私学校に悔しい敗戦を喫してきた。その陰で成長を遂げてきたエース田崎 颯士投手(2年)の盤石な働きぶりが、チームを久しぶりの優勝へと導いた昨年の秋だった。 1回戦の普天間とのゲームこそ、6安打しか放てずファンに心配をかけたが、2回戦以降の5試合全てで2ケタ安打をマークした。2回戦の石川戦では、3番・久高 学士内野手(2年)に適時三塁打が飛び出すなど、3回に打者11人を送り5点を奪う。その後も得点を重ね7回コールド勝ちすると、3回戦では未来沖縄に1対0で迎えた5回に、これまた打者11人で7得点と、連続コールドゲームでベスト8にコマを進めた。 美里工が相手となった準々決勝では、6回を終えて1対0とリードしていたが、7回に1番・石川 駿介外野手(2年)が2点ランニングホームランを放ち突き放すと、8回には下位打線が繋がり3得点。最後は石川の犠牲フライで7対0とし、3試合連続コールド勝ちを収めた。準決勝の具志川商戦では、2回に犠牲フライを挟む6打者連続長短打を記録するなど7対0と、4試合連続となるコールドゲームで力の差を見せつけた。 決勝の相手は沖縄尚学。1回に2点を先取すると、4回と8回にそれぞれ4得点のビッグイニングを作り12得点で快勝。1年間の鬱憤を晴らす見事な優勝であった。 打線はランニングホームランを放った石川が打率.350、6打点。久高が打率.316も長打率は.421で7打点。そして4番・仲田 陽外野手(2年)が打率.467で5打点と、軸になる打者が上位打線を形成する。 投手は未来沖縄戦で好投した仲間 駿投手(2年)や、石川戦で経験を積んだ金城 勇希投手(2年)もいるが、大黒柱は左腕の田崎。沖縄尚学戦こそ9安打を浴びたが2失点のみ。美里工戦と具志川商戦での被打率は.135と低く、沖縄尚学戦を含む3試合で、16.2回を投げ17奪三振。制球も良く、K/BBは4.25を記録した。 2017年以降の選手権沖縄大会は、興南と沖縄尚学がともに3度優勝と、いずれかが常に最後の夏を制している(2020年の夏季大会を除く)。ライバルたちを突き放したこの差をさらに広げて、2年ぶりの聖地甲子園へと帰還する。