酒田・西荒瀬地区で未配布の投票所入場券、最大で688人分か 日本郵便、枚数確認せず
先の衆院選で、酒田市西荒瀬地区の一部で有権者に投票所入場整理券(入場券)が届いていなかった問題で、市選挙管理委員会は30日、同地区の最大688人分328通が届いていなかった可能性があると明らかにした。このうち投票日に投票所では、100人程度から入場券が届いていないなどとの訴えがあった。日本郵便は市から計4万1983枚の配布を委託されたが、枚数を確認していなかったことも分かった。 市役所で市選管の真嶌斉事務局長が説明した。今回の選挙で酒田市は圧着式はがきの入場券4万1983通(枚)を作成した。今月11~12日に市選管が有権者名などを印字。1通ごと通し番号で管理し、市職員6人が抜けがないかなどを確認した。同14日に酒田郵便局に引き渡したという。 日本郵便は同郵便局で、受け取ったはがきの枚数を確認せず、集配拠点となっている山形南郵便局にいったん運び、その後、再び酒田郵便局に戻され、同16~17日に各有権者宅に配布されたとみられる。
投票日になっても届いていなかったのは、同市西荒瀬地区の豊里、藤塚両地域の最大で328通、688人分とみられる。ただ、17日には同地区近隣の宮海、丸沼両地域でも、入場券を配布していないとの情報提供が酒田郵便局からあり、市選管は両地域の330通747人分を再発行し、日本郵便に再送を依頼している。 西荒瀬地区で、入場券を配布したとみられる時期に、他の郵便物は滞りなく届けられているという。未配布となっている入場券の所在は分からないままで、未配布分は、そもそも作成されていないか、紛失しているかも分かっていない。 日本郵便東北支社の光井大祐秘書・広報室長は「今回引き受けた郵便物は全て配達している」との認識を示した。真嶌事務局長は「投票を呼びかける立場でありながら、申し訳ない。引き続き、原因を調べる」と述べた。 鶴岡、村山両市でも住民から問い合わせ 鶴岡市選挙管理委員会によると、同市でも投票日までに入場券が届いていないとの問い合わせは、櫛引地域の住民から10件ほどあったという。同地域では3人が届かなかったため、持参せず投票している。また、村山市でも投票日までに入場券が届かなかったとの問い合わせが5件程度あったという。