梅、サクランボ 24年産収穫量、過去最低に 高温対策が急務
2024年産の梅とサクランボの収穫量が共に過去最低となったことが農水省の作物統計で分かった。梅の収穫量は前年比46%減の5万1600トンと全国的な不作で大幅に下回った。年間を通した高温など天候の影響を大きく受ける中、安定生産への対策が急がれる。 【グラフで見る】サクランボの収穫量の推移 24年産の梅、サクランボ、ビワそれぞれについて結果樹面積、収穫量、出荷量をまとめた。 梅の収穫量は、データのある1973年以降最低となった。出荷量も前年比46%減の4万5300トンで、過去6番目の低水準だった。開花前の高温で開花が早まり、受精不良で着果数が減少したことなどが響いた。結果樹面積は同2%減の1万2900ヘクタールで、高齢化による離農や規模縮小が続き、減少傾向が続く。 サクランボも大幅な減産となった。収穫量は同34%減の1万1500トン、出荷量は同36%減の1万トンで、どちらも過去最低を更新した。生育期間に高温が続いたことで障害が発生し、着果数が減少。また、双子果の発生や収穫期にかけての高温で正品率も低下し、減少に拍車をかけた。結果樹面積は同2%減の4110ヘクタールだった。 ビワの結果樹面積は同4%減の806ヘクタールとなった。収穫量は同6%減の2180トン、出荷量は同4%減の1830トンだった。 農水省果樹・茶グループは、地球温暖化による生産量の減少を重要な問題として受け止める。果樹の特性として夏の高温など気象の影響が長期的に及ぶため、遮光資材の活用の後押しなど「現場でできるところから対策を進めていくことが非常に大事だ」とする。同省として研究、開発も同時並行で進め、早急な対策を後押しする考えだ。
日本農業新聞