55歳、海外暮らしの「リアルな食事」。お弁当は前日の残り物、夜は日本のレシピも再現
夕食は、食べ慣れたものをスペイン食材で再現
私の自炊メニューは、日本でつくり慣れていたものをスペインの食材でアレンジしてみることが基本です。パスタ・グラタン・照り焼き・肉詰め・鮭も手に入りやすく塩焼きやムニエルをすることも。 薄切り肉の販売店は限られステーキに近い厚さの肉が多いですが、一口大にカットすれば十分に使えます。お米は1キロのパックで売られ、モチモチした食感とは違いますが、炒めたりオーブン料理には最適です。「TOFU」という商品も少し堅めですが豆腐として調理できます。いずれも日本と違いはありますが、海外にいながらここまで再現できることに贅沢さえ感じます。 なお、マドリードには日本食材が手に入る店舗もありますが、種類も限られ価格は日本の1.5~3倍です。そのため日常的に使う調味料はできるだけ現地の食品で代用しています。みりんは白ワインとハチミツを混ぜ、だしは粉末ブイヨン、青のりは乾燥パセリと塩…海外歴の長い友人からも情報をもらい工夫する毎日です。
困ったときのアイデア料理
今の住宅には電子レンジがないのですが、大型のオーブンが備えつけられているため、悩んだ時はオーブン料理です。耐熱皿に野菜や肉をゴロゴロ並べ、上からオイルと塩コショウとハーブ。最後にチーズをふり、焦げ目がついたら立派なご馳走です。 そして、いい味つけが思い浮かばない日は、オリーブオイルとビネガーが強い味方。仕上りはフレンチドレッシング風になりますが、野菜にも魚にも肉にもさっぱりした仕上りとなり、ちょっとごまかせる組み合わせです。 なお、スーパーには調理ずみの食品も売られ、パエリア・パスタ・オムレツなどが1人分が500円前後で購入できます。肉団子やラビオリなど「あとは火にかけるだけ」の状態で売られているものや、ピザ・ラザニア・コロッケなどの冷凍食品も種類が多く重宝しています。 時々、スペインの人たちが発信している料理番組を参考にすることがありますが、ワイン・砂糖・ブイヨン…言われるままに混ぜてみたら「肉じゃが」そっくりの味になったり、販売されているミートソースパスタなども日本の味とほとんど変わりません。 恐らくスペイン人と日本人の味覚は近く、だからこそどんな食材を買っても違和感がないのかもしれません。 日本で生活していた頃は日常に追われ、料理すら苦痛に感じることがありました。でもスペインでは初めて見る調味料や缶詰を試すことは楽しみのひとつとなり、また現地の食材のみで日本風に仕上がったときには、ちょっとした達成感を感じるようにもなりました。 海外にいるからこそ目新しい食材を積極的に取り入れ、バリエーション豊かな自炊を無理なく続けていきたいと思っています。
Rita