コロナ禍ド真ん中世代バンド・EOWの“世界進出” NYでの『エンタメ修行』で見出した『音楽の意味』
■ルーツを探求する旅で再確認した“音楽を鳴らす意味”
――今年の2月中旬からは、ニューヨークへ“エンタメ修行”に行かれたそうですが、どういった意図で実施したのですか? 【Laco】私たちはこれまでゴスペルをルーツにしていると公言してきたんですが、私とTomoakiだけは本場のゴスペルに触れたことがなくて、胸を張ってゴスペルというジャンルを掲げたいと思い、渡米を決断しました。ゴスペル音楽の聖地・ハーレムで教会の礼拝に参加したり、アポロシアターのオーディション企画『アマチュア・ナイト・オーディション』に挑戦したり、ライブハウスのセッションステージやオープンマイクに飛び込みで参加したり…。 ――その中で得た気付きは? 【Laco】私たちが表現したいと思っていた『泣けて踊れる音楽』というものが、フワッとしたものだったんだなって痛感しました。というのも、ハーレムだともう…みんな本当に泣きながら踊っているんですよ。それで、打木希瑶子さんという日本人初の女性牧師さんと直接お話する機会がいただけたときに、「なぜこんなにも自分の声と体を使って音楽を楽しむ機会を作っているんですか?」とたずねてみたんです。 ――どんな回答が? 【Laco】「今ある命はすべて見えない手でつながっていて、こうやって集まることができる瞬間の喜びと感謝を表しているんだよ」と。それを聞いたとき、めちゃくちゃ泣けてきたんです。日本の恵まれた環境にいると、どうしても命って当たり前にあるものだと感じてしまうんですが、体が脈を打っていることってやっぱりすごいことなんだなと。私は歌っている時に「生きている」と感じられて、その実感をみんなで分かち合いたいんですね。そういった根本の考え方に改めて向き合えたんですよ。 ――ご自身のルーツや歌う意義も見い出せた? 【Laco】はい。今の日本には「命を燃やしている」という感覚のない人が多いような気がしていて。「それを私が燃やしたい」なんていうおこがましい気持ちではないんです。でも、「音楽には命が燃える感覚を呼び覚ましてくれる力がある」と信じているから音楽をやっているんです。