中国人民銀、22年11月以来のMLF資金吸収-金利も据え置き
(ブルームバーグ): 中国人民銀行(中央銀行)は15日、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を2.5%に据え置くとともに、MLF資金を純額ベースで吸収した。景気押し上げに向けた金融政策の活用で慎重なアプローチを続け、人民元相場を下支えする用意があることを示唆している。
人民銀はこの日に3870億元のMLF資金を供給したが、今月満期を迎える同資金は4810億元に上っており、差し引き940億元(約1兆9400億円)を吸収することになる。銀行システムからMLF資金を純額で吸収するのは2022年11月以来。
中国政府は今年の国内総生産(GDP)目標を5%前後と強気の水準に設定しており、達成には刺激策の強化が必要と見込む投資家やエコノミストにとっては期待外れとなる可能性がある。また、米中の金利差を踏まえると、米利下げ前に人民銀が追加緩和に踏み切る余地は限られていることも浮き彫りになっている。
INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「人民元の安定が政策目標にとどまり、一段の金利差拡大で元安圧力に拍車を掛ける恐れもある中、世界の中銀による利下げ開始前の緩和余地は限定的だとわれわれはみている」と説明。MLF金利下げ前に、向こう数カ月で預金準備率が引き下げられる可能性があると述べた。
原題:China Drains Cash Via Key Tool for 1st Time Since 2022 (Correct)、PBOC Withdraws Net 94b Yuan Via MLF; Rate Kept Unchanged(抜粋)
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Iris Ouyang