韓国公共放送の長寿番組、司会者起用めぐり局側と制作チームが対立、録画延期に
【05月20日 KOREA WAVE】韓国公営放送KBSテレビの長寿歴史番組で、MC(司会者)の起用をめぐって上層部と制作現場が激しく対立し、大きな混乱に陥っている。 問題の番組は時事教養プログラム「歴史ジャーナル―その日」。KBSによると、同番組は2月11日に約3カ月の番組改編を準備し、5月16日から新しいシーズンで放送される予定だったという。 制作チームは新MCとして俳優ハン・ガインを確定し、パネル・専門家・台本の準備まで終えていた。ところが、番組の録画を3日控えた4月25日になって、KBS上層部からアナウンサー出身のタレント、チョ・スビンをMCとして起用するよう通告があったという。制作チームはKBS側に面談を要請したものの拒否された。 結局、番組の録画は延期され、放送中止の通告を受けたという。これについて、制作チームは「事実上、番組終了だ」と反発している。 KBS PD協会は14日午後、ソウルのKBS本館前で記者会見を開いた。同協会のキム・セウォン会長は「番組を制作するということは、国民の立場からどの番組を見たいかを考えること。同番組改編の準備の間、有名俳優をMCとして起用するチャンスを得たのに、会社側は他の人が選んだMCを起用しようとした」と明らかにした。その過程で、制作チームの意見は無視され、会社側は番組制作中止や制作チームの解散を決めたという。 これに対し、KBS側は「番組の次のシーズンに向けた番組リニューアルの過程で、番組形式、内容、MCやパネル出演者キャスティングなどについて意見の違いがあった。今後、制作を再開する」と釈明している。 チョ・スビン所属事務所は「チョ・スビンはMCとしてのオファーを受けた事実がなく、MC選定についてKBS内部でどんな議論があったのか全くわからない」との認識を示したうえ「報道でチョ・スビンが『落下傘』と表現され、特定の視点から“偏向”と言われたことに遺憾の意を表明する」と表明している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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