【2024年度JRA賞】ドウデュース秋2戦で強烈な印象 W受賞に友道師「長く種牡馬として活躍してほしい」
JRAは7日、2024年度のJRA賞各部門受賞馬を発表した。年度代表馬は天皇賞・秋とジャパンCを制したドウデュースで、最優秀4歳以上牡馬とのダブル受賞となった。授賞式は27日に東京都内で行われる。 ◇ 2024年の中央競馬はいつもこの馬が中心にいた。投票総数256票のうち236票を獲得したドウデュースが、年度代表馬に選出。満票で選出された最優秀4歳以上牡馬とのダブル受賞となり、友道調教師は喜びの言葉を伝えた。 「この素晴らしいJRA賞をいただけたのは、皆さまの応援のおかげだと思っています」 ラストシーズン前半は不完全燃焼が続いた。23年に出走取消となったドバイターフに再び遠征したが、直線で窮屈になって5着。宝塚記念も重馬場に泣いて6着と、1番人気を裏切った。 7月に年内限りでの引退を発表。残り少ない現役生活を満喫するかのように秋2戦は強烈な印象を残した。天皇賞・秋ではスローペースの中、後方2番手から大外一気に差し切り、4年連続のGⅠ制覇を達成。海外の強豪が参戦したジャパンCも4コーナーひとまくりの離れ業で、ワールドクラスの強さを証明した。 ラストランに予定していた有馬記念は、レース2日前に右前肢跛行のため出走取消。山あり谷ありの競走生活は、まさかの形で幕を閉じた。 松島正昭オーナーは「大変名誉なことでありがたいです。馬主をやっていてなかなかないことですので、改めて感謝いたします」とコメント。主戦を務めた武豊騎手も「昨年、天皇賞、ジャパンカップと勝つことができて、大変うれしく思います。年度代表馬にふさわしい馬だと思います」とたたえた。 今春から北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。馬房は同期のライバルで昨年まで2年連続年度代表馬に輝いたイクイノックスの隣で、父親としても火花を散らしそうだ。友道調教師は「競走馬時代以上に頑張れるよう応援しています。長く種牡馬として活躍してほしいです」とエールを送った。 初年度の種付け料は1000万円で、すでに満口。産駒のデビューは早ければ28年。ドウデュースの子供たちがターフをわかせる日を、楽しみに待ちたい。(増本隆一朗)
■JRA賞 1954(昭和29)年に始まった表彰制度で、87年からJRA主催で行われている。競走馬部門の選考は中央競馬の報道に携わる新聞、放送記者クラブに3年以上在籍している記者と専門紙トラックマン(今回の有資格者は256人)の投票で、各部門の投票数の1/3以上の票(86票以上)を集めた最多得票馬から選出され、各部門の受賞馬の中から年度代表馬が選ばれる。「該当馬なし」が1/3以上の場合は該当馬なしとなる。