広島・中村奨が必殺仕事人化! 秋のテーマは好球必打 紅白戦で豪快弾&3安打
「広島紅白戦、紅組10-1白組」(11日、天福球場) 広島・中村奨成外野手(25)が11日、今キャンプ3試合目の紅白戦で豪快な一発を放つなど3安打と躍動した。三回1死一塁で常広から左越えに2ラン。初回と八回には右前に運んだ。3安打のうち2安打が初球を捉えたもので、甘い球を確実に仕留める取り組みの成果を示した。打力向上を図りながら来季こそ、レギュラー奪取を目指していく。 【写真】紅白戦でハッスルプレーの中村奨 自信がみなぎっている 強烈な衝撃音を残した打球は、あっという間に左翼フェンスを越えた。スタンド全体が、どよめきに包まれた、中村奨の一撃。本人は「いい投手なので、そうそう甘い球が来ることもない。どんどん仕掛けていこうという中で、1球で仕留められたのは良かった」と納得顔で振り返った。 ハイライトは三回だ。1死一塁で2ボールから常広の直球を迷わず振り抜いた。白球は一直線に伸びて、左越えへの2ラン。初回も常広の初球を右前に運んだように、第1ストライクを安打にする打席が目立つ。今秋のテーマは、好球必打。後輩右腕との対戦は自身に軍配が上がり「とにかく真っすぐからしっかり入っていって。割り切って、甘いのをとにかく仕留めてやるぞ思っていた」と好結果に至った心構えを明かした。 八回も初球を捉えて右方向へ力強い快音を響かせた。秋季練習中から高く構えていたトップの位置を少し下げ、自然な形から始動するよう変更。「思ったところにバットを出すこと。直球のスピードも平均的に速くなっている。そこで振り負けないように。振る力もそうだし、フォーム的な部分もそう。そこら辺を意識しながらやっている」と、狙い球を確実に仕留めるために施している準備を明かした。 今季は30試合の出場で打率・145、1打点。スタメン出場もあったが存在感を示すまでには至らなかった。新井監督は「メカニック的にはいいメカニックがある。だけど『打ちたい、何とか結果を出したい』というメンタル的なものが(体の)突っ込みに変わっていたと思う。そこも彼には伝えた」と気持ちの持ちようが1軍での結果を左右していたと分析した。 チームでは手薄な右打者。俊足も武器だからこそ、打力に磨きがかかればレギュラー定着も見えてくる。「本当に、ちょっとしたことなんだけどね。いいモノは持っているので期待している」と指揮官は背中を押した。 「やっぱり、来年打てないと話にならない。どうやったら1軍で打てるかを考えながらやっていきたい」と来季の活躍を見据えた中村奨。“1軍の壁”を打ち破るため、戦闘態勢を整えていく。