「健康のため」にサプリを飲む人が知らない“真実” 自己判断で飲むことで「重い病気を見逃す」リスクも
連日報道されている小林製薬の健康食品による「紅麹問題」で、「サプリメントは安全で気軽に摂取できるもの」という神話は崩壊しました。まだ原因とされる物質や健康被害との因果関係は明らかになっていませんが、本件に関係して亡くなられた方や健康被害に遭われた方が多数、報告されています。 【図で紹介】機能性表示食品とトクホ、医薬品との違い この問題を教訓に、今回はサプリについて解説したいと思います。 ■そもそもサプリメントって何? 健康食品やサプリメントは国が定めたものではなく、一般的に使われる言葉です。具体的には、「健康によいとされる成分を添加している加工品」を健康食品、そのうち「カプセルや錠剤・顆粒のような形状をしているもの」をサプリメントといいます。
supply=補う、という意味から、サプリメントは「不足を補うもの」という意味で使われ、一定の基準を満たした「成分」を、摂取できるように工夫されています。食品ですから「医薬品」のように病気を治すことを目的とするものではありません。 参考までに、医薬品とは別に「血圧が高めの方に」「ピント調整機能を改善」「糖の吸収抑制」といった機能性の表示が認められているのは、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の3種だけです。
■高濃度の成分を摂ることの問題 そもそも、サプリメントのような成分を濃縮してぎゅっと詰め込んだものを毎日摂るのは、栄養バランスを考えても大きな偏りを生むと考えます。食材では、同一の成分を大量に摂ることはできませんが、濃縮した錠剤なら、難なく摂れてしまいます。 「レモン100個分のビタミン」などとうたっているものがありますが、よく考えれば一度にレモン100個も食べるということが、体にとって良いことであろうはずがありません。ビタミンCの場合は水溶性であるため、不要な分は尿として排出されますが、成分によっては体に蓄積していくものもあります。