三重県警「街頭緊急警報装置」、全58基の半数以上が故障…過去5年間で使用・通報の事例なし
三重県警が街頭に設置している警報機能付き防犯カメラ「街頭緊急警報装置」の半数以上が故障し、使えなくなっていることが分かった。緊急ボタンを押すと警報音が鳴り、録画が始まる仕組みだが、一部は部品の劣化で作動しなくなっているという。生産中止部品も多く、故障した装置は7月以降に撤去していく方針だ。
装置は、ひったくりや路上強盗、誘拐などの犯罪発生時に被害者や周囲の人が使い、警報音を聞いた人による110番通報を想定している。2011年度から設置を進め、現在は、四日市市に19基、鈴鹿市で14基、津市8基など、計58基が設置されている。このうち35基が故障で使えなくなっている。
設置費用は1基約100万~120万円で、維持には年間約3万5000~5万円かかる。耐用年数は6年程度とされる。交換部品は生産中止のものもあり、県警は、故障した装置は修理せずに撤去する方針だ。24年度は14基を撤去する予定で、費用は計約570万円を見込む。
過去5年間で装置が使われ110番通報につながった例はないものの、県警の担当者は「故障していない装置は今後も運用していく。大きな音が鳴り、録画もされるため、犯罪の抑止につながる」と説明している。
愛知県警によると、愛知県春日井市には通報装置を備えたスーパー防犯灯が5基あり、正常に稼働しているという。