残り2戦に奇跡はある?! なぜ渋野日向子の自力での逆転賞金女王獲得の可能性は消滅してしまったのか
女子プロゴルフの「伊藤園レディス」の最終日が17日、千葉のグレートアイランド倶楽部で行われ、1打差の3位からスタートした鈴木愛(25、セールスフォース)が通算14アンダーで逆転優勝を遂げツアー3連勝。今季7勝目で賞金ランキングでは申ジエ(31、韓国)を抜いて1位に浮上した。一方、8月のAIG全英女子オープンを制して一躍時の人となった渋野日向子(21、RSK山陽放送)は、前日にまさかの予選落ち。残り2戦での自力での賞金女王獲得は消滅してしまった。なぜシブコは、ツアー終盤に失速してしまったのか。そして奇跡の逆転賞金女王獲得はあるのだろうか。 渋野の予選落ちは今季3度目で、3月の「アクサレディス」以来、実に26試合ぶり。渋野本人はもちろん、賞金ランキング3位からの逆転を信じるファンにとっても想定外の“事件”となった。雲行きが怪しくなってきた女王獲得。“シブコ”に一体何が起きているのか。 36位から出た予選ラウンド2日目はアウトの第2組という早いスタート。カットライン上の通算1アンダーでホールアウトした時点では、当然ながら順位は確定していなかったが、取材の場には予選落ちを悟ったような険しい顔つきで現れた。 「4つ(通算4アンダー)までいったのに伸ばし切れなかった。本当に情けない。予選落ちですもんね…なんて言ったらいいかわからない。ショックです。悔しい。ちょっと泣きそう…。すみません」 言葉は途切れがち。いつもの笑顔はない。全英で優勝したときもまったく泣かなかったスマイルシンデレラの目に涙がにじむ。もう少しで涙腺は決壊しそうだった。 大会初日の15日は21歳の誕生日。大会主催者の伊藤園から贈られたバースデーケーキにご機嫌だった。「人生が変わった」と表現した20歳の一年間。新しい一年の始まりに「21歳の一年はいろんなことを覚悟していく年になる。世界に羽ばたいていける準備をしていかないと」と決意を述べ、来秋には米ツアーの出場優先順位を決めるQT(予選会)に挑戦することも初めて明言し、2021年からの米ツアー進出を宣言した。 その翌日の予選落ち。全英から帰国後の9月に「デサントレディース東海クラシック」で国内3勝目を挙げたときは今後の目標に賞金女王を掲げたが、「本当に自分はまだまだなんだと思った。私の口から賞金女王なんて言ったらいけない…と思い知らされた」と、ギブアップ宣言……すっかり意気消沈していた。