AIカメラで排水遠隔監視 復旧までの時間を3分の1に短縮 パナソニックとJR東日本
パナソニックとJR東日本八王子支社は28日、AI(人工知能)カメラを用いて線路の冠水を防止する排水ポンプ設備の稼働状況を監視できる遠隔監視ソリューションについて紹介した。 【関連写真】左からパナソニックの村田氏、JR東日本八王子電力設備技術センターの福原氏 従来、排水ポンプに異常が起こると、JR同支社の設備技術センターの人員が現地に赴き異常の原因を確認して対応していた。現地に着くまでどんな異常か分からないため、対応が遅くなるのが課題だった。2020年6月に発生した大雨では、排水性能を超えた雨水の流入で、運休46本、遅延7本、復旧までに316分かかり、電車の運行に深刻な影響が出た。 こうした課題の解決に向け、パナソニックは遠隔監視システムを提供した。 AIカメラがポンプの状態を示すランプを監視し、変化があれば報告のメールが送信される。設備や電力はマルチ監視ユニットにより制御する。パナソニックエレクトリックワークス社エンジニアリング推進センター首都圏技術営業五課課長の村田康史氏は「即時性のあるカメラとマルチ監視ユニットによる2重の監視で精度を保っている」と語っている。 JR東日本八王子電力設備技術センター基準グループの福原安志氏は「実際に見に行かなくてもいいというのが一番のメリット。復旧時間を316分から3分の1の、120~180分に短縮できる」と想定している。
電波新聞社報道本部