勘弁してよ…年金月17万円見込の59歳男性「ねんきん定期便」を確認→年金事務所に怒鳴り込んだ“まさかの理由”【CFPの助言】
「ねんきん定期便」には“記載されない情報”も
現在、ねんきん定期便に記載されている情報は、国民年金(老齢基礎年金)と、厚生年金(老齢厚生年金)」の報酬比例部分や経過的加算などの受給見込額です。 そのため、受給対象者は限られますが、「加給年金」や「振替加算」の見込額の記載はありません。 また、国民年金に上乗せする「国民年金基金」、厚生年金に上乗せする企業年金の「企業型確定拠出年金」や「確定給付年金」、「厚生年金基金」は、私的な年金ですので、ねんきん定期便には記載されません。 ただし、厚生年金基金の加入記録はねんきん定期便に記載されます。また、基金加入者の「老齢厚生年金」受給見込額は、以前は基金が代行する報酬比例部分※を除いた記載でしたが、2021年6月以降は、報酬比例部分も含めた受給見込額が表示されるようになりました。 ※ 後述の[図表]を参照のこと。
どうなってんだ!…59歳Aさんが年金事務所でキレたワケ
59歳のサラリーマンAさんは、定年まで残り1年を切っています。ある日、「退職するか、再雇用制度を利用するか迷っているので相談したい」と、FPである筆者に連絡がありました。 Aさんの職業は広告デザイナーです。美術系の大学を卒業後、大手上場企業に就職しました。25歳で懇意の先輩が勤める会社に転職してからは、さらなるキャリアアップを目指して3~5年ごと職場を変え、45歳で8社目の現在の会社に落ち着いたそうです。 筆者が「対面で詳しくお話を伺う際には、ねんきん定期便をお持ちくださいね」とお願いしたことから、Aさんは「そういえば、ちゃんと読んだことなかったな。俺っていくらくらい年金をもらえるんだろう?」と気になり、今年の誕生月に届いた水色の「ねんきん定期便」の封を開け、1ページ目から読み始めました。 気になる「ねんきん定期便」の中身は… 2ページの「老齢年金の種類と見込額(年額)」には、年金は65歳から204万円(月額17万円)と記載されています。現在の給与が月額約80万円のAさんは、「5分の1に減るのか、だいぶ少ないな……」と浮かない表情です。 また3ページの「これまでの『年金加入履歴』」に「表示している『年金加入履歴』に『もれ』や『誤り』がないかご確認ください」と記載されていたことから、Aさんは熟読。その結果、3つの疑問点が出てきました。 1.27歳から30歳まで勤めた会社の記録がないのではないか? 2.38歳~42歳までの「厚生年金基金」への加入について、身に覚えがない 3.加給年金をもらう資格はあるはずだが、記載がない。もらえないのか? 「公的な書類のはずなのに、ミスだらけじゃないか? それとも、俺が間違っているのか!?」焦ったAさんは、早速年金事務所の相談予約を取りました。「ちょっとどうなってんの!? 勘弁してくれよ!」と、つい窓口で声を荒らげる始末です。
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