「ニューバランス」の最旬コラボレーター、ジョー・フレッシュグッズ 「とにかく、自分を偽らないこと」
ジョー・フレッシュグッズ(以下、ジョー):この4年間で、今作が8つ目のモデルになるから、相当のハイペースだと思う。だからこそ、“コンシューマーに飽きられてしまうかもしれない”といった不安は常にあるが、少しでも興味を引く工夫を凝らしているよ。
ーーそれでは、今回のコラボモデルのベースに“1000”を採用した理由を教えてください。
ジョー:理由はシンプルで、「ニューバランス」側からの提案だね。協業し始めて4年が経ち、俺からベースモデルを提案する権限もあるけれど、今の気分と“1000”のデザインが合ったから受け入れることにしたんだ。何より、自分のコラボ遍歴の中に未経験のモデルが加わるということは、今後のチャンスにつながると思ったのさ。
ーー“1000”は、1999年にオリジナルモデルが発売されて以来の初復刻ですが、ジョーさん自身は過去に着用経験のある品番なのでしょうか?
ジョー:いや、一度も履いたことが無かったけど、そのおかげで新鮮な気持ちでコラボに取り組むことができたよ。
ーー“990”シリーズや“574”とは異なり、“1000”という品番自体がある程度の知名度を持たないことは、コラボモデルを制作する上での難局になりませんでしたか?
ジョー:先ほども話したように、コラボでは“飽きられないこと”と、“大勢ではなく小規模のコンシューマーを相手にスタートすること”が何よりも重要だと思っているから、“1000”はむしろピッタリだったよ。徐々に親しんでもらい、知名度を上げていけばいいんだ。
ーー今回のコラボモデルが、“1000”という品番の入口になる機会ということですね。
ジョー:まさに、その通り。
ピンクという活動の原体験
ーー改めて、“ワン・サウザンド ウェン・シングス・ワー・ピュア”の着想源をご説明していただければと思います。
ジョー:俺のコラボプロジェクトは、ストーリーテリングを特に重要視していて、前作“990v4 メモリーズ・イン・モノクローム”は1998年が背景だったから、今作はその続きで2000年代初頭を着想源にしている。“1000”のオリジナルも1999年に発売されていたしね。2000年当時というと、俺は14~15歳のティーンエイジャーで、よく友達とダンスをしていたんだ。ベストダンサーではなかったけど、それなりに楽しんでいたよ(笑)。だから、ダンスをキービジュアルのモチーフにしていて、同時にシカゴのカルチャーを世界に広めたいという思いも込めているんだ(注:“フットワーク”と呼ばれる音楽およびダンスが、1990年代のシカゴで誕生)。