もしもアメリカの雇用情勢が悪化すれば…株価は10%の調整を引き起こす(海外)
モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソンCIOは、雇用市場の悪化が株価の10%の調整を引き起こす可能性があるとブルームバーグTVに語っている。 非農業部門雇用者数が10万人を下回った場合、ソフトランディングのシナリオが崩れる可能性がある。 他のリスクとしては、インフレやアメリカの財政懸念による米国債利回りの急上昇などがあるという。 モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のマイク・ウィルソン(Mike Wilson)CIO(最高情報責任者)は、雇用市場が株価を左右する可能性があり、突然の下落によって重要な調整が引き起こされる可能性があると、ブルームバーグTVに語っている。 新規雇用者数が減少し始めれば、ソフトランディングの見通しはなくなり、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動く可能性が高く、現在「ゴルディロックス経済(景気が程よい状態)」への期待を背景に株価が上昇しているが、それは10%の株価下落をもたらすことになるという。 「この成長が、成長すること自体に対する本当の恐れや潜在的な景気後退の懸念に変わっていくと我々が判断する主なきっかけは何だろうか」とウィルソンCIOは問いかける。 「それは労働市場だ」 非農業部門雇用者数が10万人を下回ったり、失業率が4.3%を超えたりすれば、景気減速は明らかになるという。 とはいえ、これらの数字のうち少なくともひとつは、ウィルソンが示した閾値からはほど遠い。5月の新規雇用者数は27万2000人と、予想を大幅に上回った。 しかし、より広い意味では、亀裂が見え始めており、同じ月の失業率はついに4%を超えた。水面下の雇用動向は景気後退が迫っているというさまざまな兆候を示している。 これは株式投資家にとって重要なことで、市場はインフレや金利の方向性よりも成長軌道を重視するようになっていると、ウィルソンは最近のメモで述べている。 そのため、現在の市場高騰は理にかなっているのだと、ウィルソンはブルームバーグに語っている。投資家は成長株の質を重視するからだ。
Filip De Mott