<にしおかすみこ>認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父との同居生活は“自分ファースト”で 「どうしてもダメなら逃げるのも選択肢」
家族との生活が始まってから、仕事に対する意識の変化もあったのだろうか。
「『好きなことをしよう』って、すごく思うようになりました。母と一緒に暮らしていると、頭も体も全部が健康っていう状態がずっと続くわけではないことを意識します。まだまだ人生は長い気がしていたけど、私もいつ思うように動けなくなる時が来るかわからないな、元気なうちに好きなことをしようって。
私は常に劣等感の塊で、『私なんかがそんなこと言って……』というのがあったんですけど、そういうことを言っていたらもう人生が終わっちゃうと思って、やりたいことを口に出すようにしています。実際『本を書きたい』とか『連載がしたい』って言っていたら、いろんな方のおかげで、夢がかないました。
書籍の中でにしおかさんは「私が病んでしまっては元も子もない」と書いている。しかし、「家族を支えるというプレッシャーは感じないようにしている」という。
「特別、背負うとも思ってなくて、私は自分の健康とか幸せがいちばん大事なので、心が病んでしまうようなら、その前に逃げるのも選択肢の一つだと思っています。共倒れは誰も幸せじゃない。私は自分ファーストです」
◇ちょっと高いランチが息抜きに ベジタブルカービングで美肌になれた?
精神的にきついと感じたときには、「友人やマネジャーさんに話を聞いてもらっている」という。
「親しい方々に甘えて、愚痴をたくさん聞いていただいています。そうすると、疲れていたけど、吐き出せたことで、またあすから頑張ろうかなって気にもなれます。すごく病んでしまうと、元に戻すのがなかなか大変だと思うんです。小まめに息抜きすることを心掛けています」
そんな日々での息抜き方法を聞いた。
「高いランチを食べに行きます。お刺し身が好きなので、街に出て、ちょっと高めのお刺し身ランチとか、海鮮丼とかを食べます。先日も立ち食いずしで、好きなものだけ楽しみました。お会計をしたら3000円もして、『ウソでしょ!?』って思ったけど、値段のことを考えるとおいしく食べられないし、息抜きにならない。家族の中で私だけおいしいものを食べているとか、貯金がないとか、今月もピンチとか、そういう気持ちを全部締め出します。そんなこと思っても誰も幸せじゃない。『きょうは行くぞ!』とむさぼります。