「最もつまらない…」三谷幸喜の最新作に酷評の嵐、豪華キャスト陣でも補えなかった“悪癖”
《三谷幸喜 最高傑作!!》 《超豪華キャストで贈る極上★★★ミステリー・コメディ!!》 【写真】三谷幸喜、元妻小林聡美との結婚会見 評価や星は、本来は他者より贈られるものだが、自身で煽る。三谷幸喜監督(63)の最新作である映画『スオミの話をしよう』の予告編だ。
早すぎた転落
「三谷さんが脚本と監督を務め、主演は長澤まさみさん。長澤さん演じる主人公・スオミの元夫役に、西島秀俊さん、松坂桃李さん、遠藤憲一さん、小林隆さん。現夫役は坂東彌十郎さんと、宣伝文句どおりの豪華キャストとなっています」(映画ライター) 本作は9月13日の公開からの3日間で動員は31万3000人、興行収入は4億3900万円。『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)で見事、初登場1位を獲得した。 「好調な滑り出しに見えましたが、2週目で早くも3位に、その後すぐ5位まで転落。有名脚本家・監督・キャストを使い、大々的に宣伝している作品ですからスタートダッシュにつまずいてしまっては、ここから浮上するのは難しい。知る人ぞ知る作品が、その面白さから、だんだんと口コミが拡散して大ヒットするといったものとは違いますからね」(同・映画ライター) 逆に今のところ、口コミといってもマイナスなものばかりがSNSなどで非常に目につく。
《最もつまらなかった三谷作品》
《最もつまらなかった三谷作品》 《観客を舐めきった駄作だった。もっと映画を勉強しろ》 《全体的にスケールの小さいコメディ映画でクスッと笑えたらそれがこの映画の山場》 《役者個人のファンだけが出演シーンだけ楽しめるのでは》 「よく知られているように、三谷さんは演劇出身。演劇のような限られたセット、ワンシチュエーションでの物語を描くのが得意な人です。いわゆる密室劇ですね。『スオミ』も前半は基本的に屋敷の中でストーリーが進みます。公式サイトでは元夫たちは《スオミの安否そっちのけで、男たちは熱く語り合う》とありますが、キャラが薄い4人が小ボケを挟んだトークを繰り広げるのをもどかしく感じた人も多いのでは」(前出・映画ライター、以下同) 三谷は2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本を担当。全話総合視聴率は20・2%、『NHKオンデマンド』では史上最多の平均視聴数を獲得するなど、大好評だった。 「『鎌倉殿』も、その名を世に知らしめた『古畑任三郎』も、監督は三谷さんではなく別の人が務めています。映画と演劇、監督と脚本。“どう見せるか”はそれぞれ違う。三谷さんは本作のインタビューで“演劇チックな映画を作ってみたいという思い”で作ったと話し、それゆえの密室劇だったのでしょうが、それが非常に映画的でなく退屈な仕上がりとなっていて、そのために“三谷の演劇を映画にしたもの”を期待した人が、“最悪だった”と評価しているのでしょう。密室の設定が違っていれば、ここまでの低評価にならなかったのでは」