業績停滞のバロックが新中計、中国は「利益追求型」にシフト
バロックジャパンリミテッドは16日、新中期経営計画を策定した。同日発表した3~5月期連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の138億円、営業利益が同47.3%減の6億4600万円、純利益が同99.5%減の300万円。足元の業績が振るわない中、26年2月期までを「飛躍の準備期間」と定め、ブランドポートフォリオの再構築と店舗のスクラップ&ビルドに集中。利益が出せる体制を作り、30年2月期に最高益更新を目指す。
国内事業はブランドを投資フェーズによって4カテゴリーに分類し、それぞれに最適な成長戦略を適用する。「旗艦」「成熟」フェーズにある「アズールバイマウジー(AZUL BY MOUSSY)」「マウジー」「スライ(SLY)」などは収益改善に集中する。一方、「成長」「新規」のフェーズにある「リムアーク(RIM.ARK)」や「ヘリンドットサイ(HERIN.CYE)」には経営資源を重点的に配分し、戦略的撤退も視野に入れて投資にメリハリをつける。同社のブランドポートフォリオにおいては比較的手薄な、大人世代向けのカジュアルブランドの新規開発も計画。大人世代に支持の厚いディレクターをブランドの顔に据え、強みであるカリスマ店員の知識や経験も活用する。
海外では、けん引役だった中国事業の成長が鈍化している。24年2月期は82店舗純減と大胆にスクラップした。同国の経済成長が踊り場に来ていることを鑑みて、「売上高成長」から「利益追求」へ成長戦略をシフトする。今後は大都市は直営店戦略を推進し、本社直営による世界観を凝縮した旗艦店を出す。それ以外の地域では、「新しい運営形態での出店」を検討し、都市部と地方の店舗の役割を棲み分ける。また、現地のニーズに合わせた商品の開発を強化し、富裕層向けに高価格帯ジーンズが主力の「マウジービンテージ(MOUSSY VINTAGE)」を拡販する。オンライン販売ではティックトックを強化し、EC化率40%超えを目指す。