鳴門エース・冨田遼弥の強心臓 ぶっつけ本番も何のその センバツ
第94回選抜高校野球大会は第6日の24日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦最後の試合が行われ、9年ぶり9回目出場の鳴門(徳島)は昨秋の明治神宮大会王者の大阪桐蔭と対戦。1―3で惜敗したが、エース左腕・冨田遼弥投手(3年)が8回3失点の力投を見せた。 【熱戦を写真で】鳴門vs大阪桐蔭 ◇ 今年初の対外試合がいきなり甲子園、しかも相手は優勝候補の大阪桐蔭。舞い上がってもおかしくない状況だが、マウンド上で見せたのは笑顔だった。 大音量で鳴り響く大阪桐蔭のブラスバンドを「自分への応援」と感じるゆとりを持ち、抜群の制球力で内角を突く。一回、昨秋の打率5割超の3番・松尾を追い込んでから139キロの内角直球で見逃し三振に。大会前の練習試合で2打席連続本塁打も放っている強打者にもひるまず攻める姿に、強心臓ぶりが表れていた。 2死二塁から2番・谷口にボールになるスライダーをしぶとく中前に運ばれるなど2点を失った三回は「詰めが甘かった」。ただ、徳島県の新型コロナウイルス対策のため年明け以降に対外試合ができないままの「ぶっつけ本番」だ。強力打線にスクイズまで使わせ、8奪三振3失点の力投は自己採点で「90点」と手応えもある。 憧れの投手は、鳴門が2016年夏に8強入りした原動力となった河野竜生(日本ハム)。昨年末、学校で会えたことも刺激になったという。「優勝候補の大阪桐蔭を相手に最後まで投げ抜けたのは自信になった。これからの練習につなげたい」。河野や板東湧梧(ソフトバンク)ら、好投手を輩出してきた鳴門の系譜に連なる投球の一端を示した。【伝田賢史】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。