「ピボット」パーティーは終わった-ピムコのワイルディング氏
(ブルームバーグ): パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のティファニー・ワイルディング氏は24日、「昨年12月からのピボット(金融政策転換)パーティーは終わった」と言い切った。
ここ数週間、債券市場に根本的な変化が起きているように思える。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が近づくにつれ、当局者が年内に大幅な利下げを行うことへのハードルは高くなったと多くの人が考えている。
ワイルディング氏は24日のブルームバーグテレビジョンの番組「サーベイランス」で、「当局は実際には利下げする必要性がないのだと思う。金融政策の引き締めによる景気への悪影響はピークを過ぎつつあるように思われる。それは、経済がこの高い金利水準に耐えられることを示唆している」と語った。
ワイルディング氏が言及した 「ピボットパーティー 」とは、米金融緩和サイクルが近いとの見通しによって正当化された株価と債券価格の上昇と定義される。
今、興味深いのは「ピボット」シナリオが大きく揺らいでいるにもかかわらず、株価上昇が驚くほどの持続力を示していることだ。ブラックロックのケイト・ムーア氏は、上昇は今後も続くとみており、潜在的により大きなリスクは、今回の決算シーズンを通じて業績の上振れサプライズが発生することだと言う。
「ここで注目すべきは、1-3月(第1四半期)に何が起こったかではなく、経営陣が今年の残りをどのようにみているかだ」と同氏は述べた。
米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は24日、過去3カ月の好調によってではなく、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がより安価なEV提供の約束を果たすだろうとの期待から上昇した。
つまり、ピボットパーティーは恐らく終わったが、決算パーティーは始まったばかりなのかもしれない。
ステート・ストリートのロリ・ハイネル氏は、「株式、特に米国株にはまだ上昇余地があると思う」と言う。同氏は5-10%の株価下落は魅力的な参入ポイントになると考えているが、「それが近いうちに起こるとは思わない」と述べた。