上田桃子から引き継ぐ“熊本魂” 竹田麗央が5冠達成の晴れ舞台で語った強い決意
今季のツアーで主役になった21歳が、オフの晴れ舞台でもステージ中央で存在感を発揮した。 【写真】小祝さくら&竹田麗央の振り袖姿 地元・熊本で開催された「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を挙げたのが今年の4月。そんな事実が信じられないほどの快進撃を続け、年間女王になった竹田麗央は、17日に行われた「JLPGAアワード」で、『年間最優秀選手賞』、『賞金ランキング第1位』、『JLPGA栄誉賞』、『メディア賞「ベストコメント」部門』と個人4冠を達成した。さらにHitachi 3Tours Championship JLPGAチームの一員として受け取った『特別賞』を含めて、計5つのタイトルを手中におさめた。 日頃から仲がいい小祝さくらと事前に打ち合わせをし、「8月」には“これを着る”と決めていた和装も舞台に映える。「アワード自体が今年初めて。雰囲気も味わいながら、5回も表彰してもらえてすごくうれしいです」と、舞台上のできごとを振り返った。 「一年間でたくさんの経験をさせてもらい、最後に年間女王も取れたのでうれしいですね」。そんな一年の集大成が、このアワードでも表れた。「自分が年間女王になるとは思っていなかったし、あそこで表彰してもらえるなんてシーズンはじめには想像もしていなかった。華やかな舞台を用意してもらえて良かった」と、万感の思いをかみしめた。 さらに、この晴れの舞台で特別な瞬間があった。今季限りでツアーの第一線を退き、『JLPGA特別功労賞』を受賞した熊本の大先輩、上田桃子に花束を手渡した場面だ。「すごくうれしかったですし、桃子さんが来年からいないのは寂しい。桃子さんのかっこいい姿を見たのがプロを目指したきっかけ。今度は自分がそういう立場になりたい」。次世代を担う存在としての自覚を強くした。 どちらかといえば口調も“おっとり”としている竹田から語られる、熱い想い。それは先輩を彷彿(ほうふつ)とさせる。幼少時代、プロ初優勝を飾った熊本の大会は毎年観戦していた。「大勢のギャラリーを引き連れているのがすごくかっこいいと思った」。そこで見てきた上田の姿が、これまでの指針にもなってきた。それだけに特別な気持ちがこみ上げ、さらなる強い決意に変わる。 来年から米国ツアーを主戦場に、竹田自身が後輩たちに背中を見せる番となる。「まずは早くアメリカツアーの生活に慣れて、毎試合自分のベストを尽くせるように頑張りたい」。大好きと話すピンク色が随所にあしらわれた着物姿で、今後の“あるべき姿”を見据えた。(文・間宮輝憲)