日経平均が膠着する中で最も注目すべきポイントは何か
物価上昇の落ち着きを背景にアメリカ株の上昇が期待されている(写真はニューヨーク証券取引所:Spencer Platt/Getty Images)
テクニカルに見ると、日本株は7月末前後までは調整しそうだ。好調だった3~5月期の小売り銘柄の決算発表が終わってしまい、今後の焦点は4~6月期の半導体関連企業の決算へと移る。 7月14日の日経平均株価は一時3万2700円台をつけ、終値でも3万2391円とチャート上のダブルトップのネックライン(6月27日につけた安値3万2306円)を上抜けた。ただし、騰落レシオはすでにピークアウトしており、7月末前後くらいまでの調整トレンドを示唆している。 TOPIXも拡大型のチャート形状を示しており、安心はできない。出来高(東証プライム市場の売買代金)は減っていて、むしろ状況はよくない。 7月13日引け後にファーストリテイリング(9983)が業績予想を上方修正したが、オプション市場関係者にはやや混乱が生じてしまったようだ。アメリカ市場でもファストリのADR価格が高騰し、日経平均先物が上昇した。翌14日はSQ(特別清算指数)算出日であり、結果としてショートスクイーズ(株価急騰)の形になったと思われる。スクイーズが出終わると、相場は天井になりやすいことに注意だ。 ボックス相場でのSQは天底を形成することが多く、足元が拡大型の保ち合いであるため、14日が禍根を残す形での天井となってもおかしくない。
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木野内 栄治