日本酒・地ビール工場同時見学可 黄桜が「伏水蔵」公開
全国初 日本酒と地ビールの製造工程を同時見学
日本酒・地ビール工場同時見学可 黄桜が「伏水蔵」公開 THEPAGE大阪
酒どころ京都伏見の酒造会社黄桜が、全国で初めて日本酒と地ビールの製造工程を同時に見学できる工場兼観光施設「黄桜伏水蔵(ふしみぐら)」を、25日に京都市伏見区でオープンする。工場内で醸造された日本酒や地ビールを料理とともに味わえるレストランも併設。内外の観光客に支持されている京都に、またひとつ魅力が増えそうだ。 【拡大写真付き】黄桜の酒造りの歴史を伝える展示なども充実
酒造りのいのち伏流水にちなんで命名
京阪中書島駅下車。駅前から坂本龍馬ゆかりの寺田屋など伏見の古風な町並みが続き、20分ほど歩くと、黄桜の酒蔵が広がる。伏水蔵は5階建て。全国で初めて日本酒と地ビールの製造工程を同時に見学できる工場兼観光施設で、25日から観光客を迎え入れる。 伏水とは豊富な伏流水で、伏見の地名の由来ともなっている。ミネラルを含んだ中硬水で、酒造りに適した名水だ。黄桜では工場内に湧き出る伏流水を酒造りに使用していることから、酒造りの理念を表すシンボルとして、伏水蔵と名付けた。 黄桜の酒造りの歴史を伝える展示も充実。黄桜人気を巻き起こしたカッパのキャラクターをはじめ、昔懐かしい宣伝ポスターなどを通じて、昭和から平成にかけての世相や暮らしぶりに、思いをはせることができる。
販売価格3万円の超高級酒も販売
日本酒の総量は消費量が減少傾向にある半面、純米吟醸酒など、原料や製法を厳選し、蔵人が技を競い合う高級酒は消費者に支持され、根強い人気を保つ。同社も高級酒の開発製造に力を注ぎ、おみやげコーナーやレストランで多様な高級酒を揃えている。 販売価格3万円の超高級酒を販売ショップで購入できるほか、館内でワイングラス1杯1500円で飲める。筆者が試飲すると、グラスから風雅な香りが立ち現われ、口に含むと深みのあるコクの余韻が響く。一般的な銘酒はグラスワイン250円から500円程度で飲める。
地ビールは「のどごしより味わい重視」
地ビール製造の方針は「のどごしより味わい重視」。適度なろ過で旨味を残す。試飲すると、濃い赤銅色やホップの苦みなどでぜいたくなひとときをすごすことができた。グラス1杯400円から600円ほどで、作りたての各種地ビールを味わえる。 来館者は年間20万人を見込む。松本真治社長は「京都の新しい観光スポットに育てたい。杜氏入魂の酒造りを肌で感じてください」と自信を示す。酒造りの伝統にふれるとともに、日本酒と地ビールの新しい発見に出合えそうだ。詳しくは黄桜の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑) 地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=34.92934470000003&lon=135.74779870000006&z=17