歴史上の人物たちにはどんな苦悩があった? 偉人たちの素顔がわかる映画5選!
巨大帝国を築き上げた男を描く!『アレキサンダー』
世界の歴史を振り返って、最も権力を発揮したカリスマ的な偉人を挙げるとしたら、その一人がアレキサンダー大王かもしれない。紀元前4世紀。急速に勢力を広げていたマケドニア国王の下に生まれたアレキサンダー。世界最強といわれていたペルシアを滅亡させた彼は、やがて巨大な帝国を築き上げた。現在に至るまで、ここまで地理的に勢力を広げた王はいない。20歳で即位し、32歳の若さで亡くなったそのアレキサンダーの生涯を、『プラトーン』や『JFK』で知られる鬼才、オリバー・ストーン監督が200億円といわれる製作費で描いた。 本作が追求するのは“王になろうとした男”というより、“王へと育てられた男”という側面。息子を王にするために手段を選ばない母の策略にも迫っていく。アレキサンダー役はコリン・ファレル。母のオリンピアスを演じたのがアンジェリーナ・ジョリー。実年齢はジョリーが1歳だけ上というのも公開当時に話題になった。若き王の大遠征では古代の様式美が再現され、要所の戦闘アクションは大スケールだが、あくまでも偉人の人間ドラマとして作られた印象。173分の長さで、偉大な王の真実が解き明かされていく。
国と家庭で問題を抱えた偉人は難局をどう切り抜けた?『リンカーン』
アメリカの歴代大統領で最もリスペクトされているのは誰か? 人によって答えは分かれるだろうが、ランキングをつければ必ず上位に入るのが、第16代大統領のエイブラハム・リンカーン。現在でもアメリカではリンカーンを“理想のヒーロー像”と捉えている人が多い。その偉大な足跡を後世に伝えようとしたのが、ハリウッドを代表するスティーヴン・スピルバーグ。『シンドラーのリスト』など“偉人”を描くことを得意とする彼が、題材に真摯に向き合い、骨太な感動作に仕立てた。リンカーン役のダニエル・デイ=ルイスは本作で3度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞。面影がそっくりなのはもちろん、内面をにじませる名演を披露した。 アメリカを二分した南北戦争の末期、大統領の2期目を迎えたリンカーンは、奴隷制度の撤廃を定める合衆国憲法修正案を可決するべく、さまざまな策略を駆使。しかし南北戦争の終結も急がねばならない状況でもあり、リンカーン自身は家族の問題も抱えていた。国の一大事を乗り越えようとする大統領の苦闘に、誰もが共感する人間ドラマを巧みに絡ませた作りで、“偉人”の真実が鮮やかに伝わってくる。現在の各国のリーダーがお手本にするべき言動を、いくつも発見できるはず!