“障害者福祉担当の職員”係長の印鑑を『机の上から拝借し無断押印』→40人分の給付決定通知書を偽造し交付―言い分にあ然「体調不良で作業遅れてしまったので」北海道札幌市
札幌市は12月26日、中央区役所で障害福祉サービスの支給を決定する業務を担当していた40代の男性職員が、上司の印鑑を無断で押すなど、不適切な事務処理をしていたと発表しました。 札幌市によりますと、男性職員は2024年9月から12月にかけて、障害福祉サービスの利用者40人から申請を受けたにもかかわらず、体調不良で内部の期限までに必要書類を整えられませんでした。 これを隠すため、上司(係長)の印鑑を無断で使って書類を偽造し、うその給付決定通知書などを40人に交付していました。
上司は机の上に印鑑放置…無断で拝借―係長印×2=課長印「代理決裁」を悪用
上司の印鑑は普段は引き出しなど保管する場所が決められていますが、係長が休憩やトイレなどで席を離れた時、机の上に置きっぱなしになっていました。 男性職員は係長の机の上から印鑑を無断で持ち出し自席で押印しました。 通知書の作成には課長の決裁も必要ですが、男性職員は課長不在時に課長決裁枠に係長の印鑑を押せば決裁できる「代理決裁」を悪用。係長と課長決裁枠に係長の印鑑を2つ押していました。
遅れごまかすためほかにも書類を偽造し交付
このほかにも男性職員は2024年9月と10月、担当地区にいる3人の利用者の支援レベルの区分け認定の更新期限が迫っていたにもかかわらず、体調不良で作業が遅れていたことから、認定に必要な訪問調査をしませんでした。 このケースでも男性職員は上司(係長)の印鑑を無断で使って書類を偽造。うその認定結果通知などを3人に交付しました。 本来は訪問調査後に主治医の意見書など必要な書類をそろえて「札幌市障害支援区分認定等審査会」の判定を受けることが求められています。男性職員は審査会の判定も得たとする書類も偽造していました。 ただ、不適切な事務処理を受けた人たちに実害はありません。
チェック体制に問題も…本人に加え上司にも処分検討
男性職員の休暇中だった12月6日に別の職員が申請書の書類を整理していたところ、不適切な事務処理の形跡を見つけて上司に相談し発覚しました。 札幌市の調査に男性職員は不適切な事務処理を認めていて、「期限が決まっていたが作業が遅れた。でも、利用者に迷惑はかけられないので、やらなければならなかった」と話しています。 男性職員は2024年6月下旬以降、体調不良で事務処理が滞りがちでした。ただ、上司や同僚に相談できなかったということです。 札幌市は男性職員のほか、自身の決裁印の管理不徹底や虚偽の処理を見抜けなかったとして、上司2人(係長と課長)の処分を検討しています。
UHB 北海道文化放送
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