【ヤマトよ永遠にREBEL3199】には、古川慎の声の存在感が必要だった!
古川大絶賛のオススメは「発進!」
――原作の『ヤマトよ永遠に』では野沢那智さんがアルフォンを演じられていました。その役を継ぐことにプレッシャーはありましたか? 古川 プレッシャーでした(笑) 福井 (笑) 古川 昔の『ヤマトよ永遠に』の映像を見た上でアフレコに望みましたが、野沢さんの演技が参考になると思ったら、いい意味で参考にならず。ただただ「いい声だな」「いい芝居だな」と感心しただけでした(笑)。その演技の深みや威厳、落ち着いた語り口みたいなものは参考にしようと思ったりもしたんです。野沢さん演じるアルフォンが好きなファンたちを裏切りたくないという想いもあったので。ただ、原作となる『ヤマトよ永遠に』のアルフォンと『3199』のアルフォンは僕から見たら全然違うキャラクターなんですよ。そのまま真似てもダメだろうということで、いろいろ考えた結果として、僕なりに解釈したアルフォンを演じていくことにしました。 福井 野沢さんと古川さんの声は、憂いを帯びているところは似ているんですが、決定的に違うところがあると思っているんです。例えば土砂降りの雨の中で立っているアルフォンをイメージしたときに、僕の中にある野沢さんの演じるアルフォンは目を開いて相手を見つめているんですよ。そして自分からあえて話しかけ、その言葉に対する相手の表情をすくい取って冷静に対応していく。そんな出で立ちが思い浮かぶのですが、古川さん演じるアルフォンは目を閉じているイメージがあるんですね。ひたすら雨の冷たさに打たれながら、自分の中にあるものを純粋に言葉として紡いでいく。それを相手がどういう風にとらえるのか、相手から声が返ってくるまでは理解する余裕がなくて、言葉を返された瞬間ハッて目を開けたり、より深くうなだれたりと、素の表情を浮かべてしまう。その違いがそのまんま原作の『ヤマトよ永遠に』と『3199』のアルフォンの違いにもなっていると思っていて。『3199』のアルフォンにはそんな古川さんの声の存在感が必要だったんだと僕は思っています。 古川 メッチャ腑に落ちました。ありがとうございます。 ――最後に第二章のオススメシーンについて教えてください。 古川 やっぱりオススメは「発進!」のシーンですよね。 福井 (笑) 古川 ヤマトをはじめとしたメカの数々がとにかく格好いいんですよ。「やっぱ男のロマンだよなー」と思ったし、発進からの戦闘シーンは驚きの連続で燃えますよね。オススメです! 今回の第二章も全編通して原作からの古参ファンも、リメイクからの新規ファンも、どちらも楽しめるお話しになっていますので、たくさんの方々に劇場まで足を運んで観ていただけたら嬉しいです。 福井 『3199』の「発進!」シーンは、監督のヤマト(ナオミチ)さんも、ひとつの見せ場として丹精込めて作ったところです。ヤマトがどう発進するかは、毎回見せ場にもなっていることもあって、このシーンは力を傾けたところではありました。第二章では他にもさきほどお話ししたデザリアムの謎に迫るどんでん返しの部分をはじめ、いままで『ヤマトよ永遠に』を見たことがある人なら、「え? 今回の『3199』だとこうなっているの?」という驚きのシーンが目白押しとなっています。まだまだこれからも第七章までそんな衝撃の展開は続いていきますので、ぜひご期待ください。 古川慎(ふるかわまこと) 9月29日生まれ。トイズファクトリー所属。主な出演作はTVアニメ『変人のサラダボウル』(鏑矢惣助)、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(志々雄真実)、『吸血鬼すぐ死ぬ』(ロナルド)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(白銀御行)、『憂国のモリアーティ』(シャーロック・ホームズ)、『ワンパンマン』(サイタマ)ほか。 福井晴敏(ふくいはるとし) 11月15日生まれ。小説家。アニメの脚本やシリーズ構成としても活躍。主な代表作は『機動戦士ガンダムUC』、『戦国自衛隊1549』、『終戦のローレライ』、『ターンエーガンダム』、『亡国のイージス』。参加アニメ作品『機動戦士ガンダムUC』、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』、『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』ほか。
ライター 川畑剛