『おむすび』サッチンの志望先は「まんぷく食品」! 朝ドラファンが思わずニヤリの遊び心
今週放送中の連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)第11週「就職って何なん?」では、栄養専門学校の2年生になったJ班の仲間たち、結(橋本環奈)、沙智(山本舞香)、佳純(平祐奈)、森川(小手伸也)が就職活動に奔走する姿が描かれている。 【写真】萬平さんと福子が笑顔で食事、連続テレビ小説『まんぷく』 12月10日に放送された第52回では、J班の面々がそれぞれの志望先を打ち明けあうなか、沙智の「私は、陸上が強い『まんぷく食品』が第一志望」という台詞があり、その後、内々定も出た。 「まんぷく食品」といえば、『まんぷく』(2018年後期)で主人公の萬平(長谷川博己)が起業した食品会社だ。『おむすび』の現在地である2008年というと、萬平の息子・源(西村元貴)に代替わりしている頃だろうか。 このように朝ドラにはしばしば、他作品との「リンク」がお目見えする。記憶に新しいのは、『ブギウギ』(2023年後期)のスズ子(趣里)が出演する映画の製作が「条映」だったこと。「条映」といえば『カムカムエヴリバディ』(2021年後期)に出てくる時代劇の聖地。こうした遊び心が、別々の朝ドラの世界があたかも地続きであるように思わせてくれる。沙智の志望先を「まんぷく食品」にしたのは誰の発案だったのか。制作統括の宇佐川隆史さんに聞いた。 ■「まんぷく食品」は栄養士・管理栄養士を積極的に採用していた!? 宇佐川さんによると、「根本ノンジさんのアイデアです。脚本の第一稿からすでに『まんぷく食品』と書かれていました。『まんぷく』は、『おむすび』のもうひとりの統括・真鍋斎が制作統括として携わった作品で、私たちも大切にしています」とのことで、ここでも根本さんはじめ本作制作陣の「朝ドラ愛」が感じられる。 「まんぷく食品」のモデルとなった食品メーカーは、長らくスポーツ振興に尽力してきた。こうしたことも影響しているのだろうか。宇佐川さんは、「『おむすび』の現在の時代設定が2008年。2010年代は、プロスポーツ選手を抱える企業が、選手の食事をサポートするために栄養士・管理栄養士を積極的に採用していく時期と重なります。『まんぷく食品』もきっと、その先駆けだったのではないでしょうか」と語った。 これからも沙智が働く「まんぷく食品」の様子は劇中で見られるのかとたずねると、宇佐川さんは、「今後のお楽しみということで」と含みを持たせた。 いまだ内定の出ていない結と森川は、いったいどうなるのだろうか。明日以降もJ班の就職活動を見守りたい。 取材・文/佐野華英