だから70の力で100の音が出せる…新人アナウンサーが研修で叩き込まれる"筋トレ"の中身
■アナウンサーが叩き込まれる基礎トレーニング 【国山】笑顔はもう、シンプルに鏡で自分を見て、どのぐらい自分の口角が上がるかなってチェックするんですよ。 【千葉】筋肉が動いているんですよね。 【国山】そうなんです、表情筋が動く。 実はアナウンサーの発声トレーニングは最初、いかに口を大きく開けられるかというところから始まるんです。「あ」「い」「う」「え」「お」の母音をどれだけ口を大きく開けて話せるかっていうのをみっちりやります。そのうえで、一音一音どう出していくかっていう発声トレーニングがある。 アナウンサーは早口言葉を学んでいる印象ってあると思うんですけど、早口言葉なんて学ばないんですよ(笑)。 ■70パーセントを出すための100パーセントの訓練 【千葉】口を大きく開けるというのは私たちのトレーニングでもよくやります。そもそも口の開け方によって話のスピード自体がコントロールできるんです。口の開け方が小さいと話すスピードは早くなり、大きく開けるとちょっとゆっくりに。 ハセンさんはいつも100パーセント開けていますか? 【国山】さすがに開けていないです。でも、開けるところから始めないといけないんですよね。100でやっていると、自然に70ぐらいに、アナウンス原稿を読むときはもうそんなに大きく開けなくても音が出るっていうふうに変わっていく。 【千葉】70パーセントを出すために100パーセントをやる。この基本のトレーニングがとても大事だということですね。 ---------- 千葉 佳織(ちば・かおり) 株式会社カエカ代表、スピーチライター 1994年生まれ、北海道札幌市出身。15歳から日本語のスピーチ競技である「弁論」を始め、2011年から2014年までに内閣総理大臣賞椎尾弁匡記念杯全国高等学校弁論大会など3度の優勝経験を持つ。慶應義塾大学卒業後、新卒でDeNAに入社。人事部にてスピーチライティング・トレーニング業務を立ち上げ、代表取締役のスピーチ執筆や登壇者の育成に携わる。2019年、カエカを設立。AIによる話し方の課題分析とトレーナーによる指導を組み合わせた話し方トレーニングサービス「kaeka」の運営を行う。経営者や政治家、ビジネスパーソンを対象としてこれまで5000名以上にトレーニングを提供している。2023年、週刊東洋経済「すごいベンチャー100」、Forbes「2024年注目の日本発スタートアップ100選」選出。 ---------- ---------- 国山 ハセン(くにやま・はせん) PIVOTプロデューサー 1991年生まれ、東京都出身。中央大学商学部卒業。2013年4月、TBSテレビに入社。「アッコにおまかせ!」「王様のブランチ」「ひるおび」などの情報バラエティ番組のアシスタントや進行役、朝の情報ワイドショー「グッとラック!」のメインMC(司会)などを務めたのち、2021年8月からは報道番組「news23」のキャスターを務めた。数々の現場取材を経て2023年1月に独立し、ビジネス映像メディア「PIVOT」に参画。現在は、番組プロデューサー兼MCとして、英語や資産運用、教育など、ビジネスパーソンのスキル向上に役立つ「学び」に特化したコンテンツを、アプリやYouTube上で日々発信している。 ----------
株式会社カエカ代表、スピーチライター 千葉 佳織、PIVOTプロデューサー 国山 ハセン