大荒れレースも競馬ファン激怒。なぜJRAで156頭競争除外の禁止薬物失態が起きたのか?
幸い、馬券の前売りはインターネット発売に限られていたため、競走除外に伴う馬券の払い戻しで大きな混乱はなかったが、出走除外となった調教師の胸中は複雑だ。というのもサプリメント「グリーンカル」の流通・販売に関わっていたのが他ならぬJRAの関連会社「JRAファシリティーズ」だったからだ。いわば、JRAのお墨付きをもらったような製品を安心して導入していたのだから、裏切られた気持ちになるのも無理はない。 ネット上では、JRAの杜撰な管理体制に批判の声が上がっているが、気になる馬の出走を楽しみにしていたファンはもちろん、出走機会を失った競走馬には取り返しのつかない事態となった。 前代未聞の出来事に各競馬場内は朝から異様な雰囲気に包まれたのはいうまでもない。これが波乱の引き金になったか。本来なら頭数が減り、堅く収まりそうなものなのに、15日の競馬は予想以上に荒れた。道悪の東京では5レースで3連単200万円超えが、出たのをはじめ、82万円台、30万円台、10万円台と大荒れ。阪神でも10万円台の高配が3つのレースで飛び出した。また阪神6レースでは珍記録も生まれた。馬体重、わずか340キロで出走したメロディーレーンが1着となり、これまでジャンヌダルクが持っていたJRA最少体重優勝の記録を更新したのだ。さらに比較的頭数の少ない函館でも4レースで単勝万馬券が出るなど事件の影響が少なからず出た格好だ。 今日16日に行われる函館競馬の幕開けを告げる函館スプリントステークス(G3)は有望株のダノンスマッシュなど6頭が除かれ、7頭立てという寂しい顔ぶれになった。来週23日には上半期の総決算、宝塚記念があるが、果たして盛り上がるのだろうか。来週に出走を予定している当該厩舎の競走馬は個々の血液検査で陰性なら出走可能とのこと。なぜこのような問題が起きたかの原因を早急に解明して、再発防止策も含めてファンに丁寧に説明しなければ、失った信頼は取り戻せないだろう。