「長尺」が人気って知ってた?「Lマレ」も品薄 令和の中古パター事情
中古市場では不適合、適合モデルのどちらも4万円から10万円で、オークションサイトで見つかった。ロングネックモデルは重心距離を極端に短くできるので、安定したフェースバランスを実現できるのがメリット。フェースを開閉せず、ヘッドを真っすぐ引いて、真っすぐ出したい人に向いている。 デメリットはネックが長い分、重心が高くなること。「GIRAFFE-BEAMパター」はネックを梁構造にすることで軽量化した。数は少ないが3万円前後が相場だ。
L字マレットパターの人気は?
尾崎将司が全盛期に使っていたL字型パターは、ターゲットに対して正しくアドレスできているか少々不安になる形状だったことを思い出す。L字マレットが最初に流行ったのは、ニック・ファルド(イングランド)の活躍によるところが大きい。「TPA18」というL字マレットで「マスターズ」も「全英オープン」も制した。 L字なのにトウ・ヒールに重量を配分され、マレット形状で安心感もあり、構えやすい。TPAは、テーラーメイド、ウイルソン、コブラを渡り歩いたブランド。ファルドはテーラーメイド製を使っていた。その後さらに人気が出た際にはウイルソンに属していたため、テーラーメイド製のTPA18にはプレミアが付いた。
日本では石川遼が登場してからL字マレットが一気にブレーク。2007年にツアーでアマチュア優勝を果たした際に握っていたのはソリッドコンタクツというメーカーのパターで、原型はTPA18だった。 その後はオデッセイ「ブラック・シリーズix #9」(2009年)を愛用。L字マレットのメリット+ヘッド後方にタングステンウエイトを配置し、やさしいL字マレットとして大ヒットした。すでに1万円を切る価格で見つかるが、状態の良いものがほとんど存在しない。ちなみにL字マレット好きな筆者はオデッセイ「プロタイプ iX #9HT」(2012年)をコレクション。1万円前後が相場だ。
同じL字マレットではスコッティキャメロンも人気がある。「スペシャルセレクト デルマー」(2020年)はシンプルなデザインが魅力。相場も下がってきて3万円台で見つかるようになってきた。 長尺パターは練習器具としても使えると、シニアプロが取材で答えてくれたことがある。全身を使ってストロークすると通常の長さのパターを使う際にも恩恵がある。ロングネックモデルはヘッドの動かし方がシンプル。L字マレットは決してやさしくはないが、ショットの延長で転がせる気がする。
どのパターにもメリットとデメリットがあり、“どうせ入らないなら”自分のこだわりのパターを使ったほうが精神的にもよさそうだ。「やさしいパター」の“やさしい”はゴルファーの数だけある。さあ、中古ショップで探してみよう。(文・田島基晴)