FRB利下げを市場は織り込み過ぎ-ブラックロックのフィンク氏
(ブルームバーグ): 米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、米経済が成長を続ける中で市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げを織り込み過ぎているとの見方を示した。
フィンク氏は1日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで米経済について、「着陸するとは思われない」と発言。「フォワードカーブに示されている緩和の幅は異常だ。さらに緩和の余地があるとは思うが、フォワードカーブが示すほどではないと思う」と語った。
短期金融市場はFRBが11月にさらに0.5ポイントの利下げを実施する可能性が3分の1あるとの見方を反映しており、来年末までに合計で約190ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和を織り込んでいる。しかしフィンク氏は、それが実現するとは考えにくいと述べた。
米経済は2-3%の成長が続くとの見通しを示し、「経済の中には苦戦している分野もあれば、非常に好調な分野もある。われわれは不調な分野に注目することに多くの時間を費やしている」と語った。
経済成長を促すインフラへの投資について「民間部門には新しいプロジェクトに資金を提供できるだけの十分な資金がある。私にとっては、インフラへの官民投資の拡大という新たな現実の幕開けだ」と語った。
ブラックロックCEO、インフラ投資による成長促進を呼びかけ
フィンク氏は、経済が拡大するにつれ企業の収益も順調に伸びると予想し、資産評価や一部の地政学的な問題はあるものの、市場は現実的なシステミックリスクに直面していないとの見方を示した。
米国の選挙が資産に大きな影響を与えることはほとんどないとも述べ「4年ごとに選挙があるたびに、市場に劇的な変化が起こると誰もが言うのを繰り返し見てきた」が、それは起こらなかったと指摘。
「世界的な資本市場の拡大により、リスクはかつてないほど分散されている」と論じた。
原題:BlackRock’s Fink Says Market Is Wrong on Fed Rate-Cut Bets (2)、BlackRock’s Fink Says Market Is Wrong to Bet on So Many Fed Cuts(抜粋)
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Anchalee Worrachate