トランプ新政権に怯える「移民のテック系労働者」、ビザの更新を懸念
外国人の雇用を控える動き
H-1Bビザを取得する人の多くは高収入のテック業界で働く労働者だが、インフォシスやタタ・コンサルタンシー・サービスのようなITコンサルティング会社に雇われている人も多く、これらの企業はH-1Bビザのトップスポンサー10社に入っている。 ■外国人の雇用を控える動き ワンは、トランプの新政権下で拒否率が増加し、給与要件も引き上げられる可能性があると予想している。その結果、打撃を受けるのは、移民の新卒労働者たちだ。「誰も20万ドル(約3100万円)の初任給を新卒エンジニアに支払わないだろう」と彼は語った。 そんな中、シリコンバレーの大手テック企業を顧客とする移民法務事務所、フラゴメンのブレイク・ミラーは、顧客の多くが「今から1月までにできることを積極的に検討し、従業員の状況を把握しようとしている」と述べている。 例えば、前回のビザ更新以降に社内で昇進した従業員は、修正申請を行い、さらに3年間の更新が可能になるかもしれない。また、一部の従業員は、卓越した能力を持つ人向けのグリーンカードを取得できる場合がある。 ある大手テック企業で働く匿名のインド人エンジニアは現在、弁護士に勧められて急いでグリーンカード申請の手続きを進めているが、実際のところ彼は、トランプが高度な技能を持つ外国人労働者に何をするかについてはあまり心配していない。その理由について彼は、トランプが著名なポッドキャスト番組のAll-Inに出演した際に、「学生ビザにグリーンカードを添付したい」と公言するなど、合法的な移民と違法な移民を区別していることを挙げた。 フラゴメンのミラー弁護士は、外国人の従業員たちに次のトランプ政権に備えて、ビザの更新のために帰国し、柔軟性を確保しておくよう助言している。「新しいビザスタンプを取得して、今後2年間における旅行の自由度を確保しておくことが大切だ。そうすれば新たな渡航禁止措置や大幅な更新の遅延が発生した場合に備えられる」と彼は語った。 米国の企業の多くは、現状ではまだ、外国人労働者の雇用を見直してはいないが、ミラーは外国人の採用を控える企業が増える可能性があるとも述べている。「新政権が打ち出す政策次第で、すぐに影響は出てくるだろう。ビザの取得プロセスが長期化し、拒否率が増加する可能性もある。そのような事態に直面した雇用主は、フラストレーションを感じるだろうし、外国人の雇用を再考する企業も出てくるはずだ」と彼は語った。
Amy Feldman