【高校野球】天理の“オオタニさん”もすごい!3ラン2発 13年ぶり奈良県大会優勝に導いた
◆春季奈良県大会 ▽決勝 天理18-6橿原(12日・佐藤薬品スタジアム) 春季奈良県大会は決勝が行われ、天理が13年ぶり24度目の優勝を決めた。プロ注目の大谷汰一中堅手(3年)が、初回と2回に3ラン2発で計6打点を挙げるなど、打線が11安打18得点と爆発。同校OBで今年1月に就任した藤原忠理(ただまさ)監督(58)に初優勝を届けた。 天理の“オオタニさん”が躍動した。初回に2点を先制した直後の1死一、三塁。大谷は右翼席に3ランをたたき込んだ。このイニング一挙9得点の主役になると、続く2回2死一、二塁でも右中間席に3ランで6打点。「1本目はあまり感触は良くなかったけど、2本目はしっかり打てた」。大会決勝歴代最多となる18得点で、藤原監督の就任後、初の公式戦を優勝で飾った。 従来よりも飛距離が落ちるとされる新基準バットをものともせず、大器の片りんを見せつけた。準決勝では思うような打撃ができなかったが、試合前に藤原監督からタイミングの取り方について助言を受け、動画を見てフォームを修正。すぐさま結果を残した。ドジャース・大谷と同じ左打ちのスラッガーは「奈良大会優勝はまだ通過点。近畿大会で優勝できるように頑張りたい」と力強く言い切った。 藤原監督は就任後、「チームのために」というスローガンを掲げた。天理高校の信条教育とも照らし合わせ、精神面での成長を促している。意思疎通を図るため、月末の作文の提出も始めた。月ごとにテーマを設定し、自身の考えがどれくらい選手に伝わっているのかを確かめる狙いだ。 「野球(の練習)だけではチームは強くならない。辛抱強さ、規律・礼儀、人のために尽くせる人間力。3年間で身につけてほしい」と指揮官。藤原イズムが浸透した新生・天理が、近畿の舞台でも勝ち進み、夏に弾みをつける。(山本 理貴) ◆大谷 汰一(おおたに・たいち)2006年6月15日、福井市生まれ。17歳。五箇荘東小1年から北花田タイガーで野球を始め、五箇荘中では住吉ボーイズで投手。天理では1年春に背番号19でベンチ入りし、同夏の甲子園に出場。50メートル走6秒0。185センチ、77キロ。左投左打。
報知新聞社