スイスUBS、第3四半期純利益が予想のほぼ2倍 統合効果で
Dave Graham [チューリヒ 30日 ロイター] - スイス金融大手UBSグループが30日発表した第3・四半期決算は、純利益が14億ドルと、会社集計の市場予想(7億4000万ドル)を上回った。買収したクレディ・スイス・グループの顧客口座統合によるコスト削減や収入増が寄与した。 売上高は123億ドルと、コンセンサス予想の115億ドルを上回った。 投資銀行部門はコンセンサス予想の2倍の営業利益を上げた。非中核・旧来部門の損失は予想を下回った。 セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は米州やアジア太平洋地域の顧客向け事業が強い勢いを保ち、収入が目覚ましく伸びたと説明。クレディ・スイスとの統合を進める上でコストや効率性の目標達成へ着実な進展を図り、リスクを抑えていると述べた。 UBSはコスト削減計画が順調に進んでいるとし、今年のコスト削減幅を従来予想の約70億ドルから約75億ドルへ引き上げた。 第3・四半期の営業費用は103億ドルで、前年同期の116億ドル超から減少した。 シティのアナリストは調査リポートで「全体的に堅調な結果で、ジュリアス・ベアを含む同業他社にとっても追い風となるはずだ」と述べた。 UBSは第4・四半期の市場環境について、米経済のソフトランディング(軟着陸)見通しに支えられ、第3・四半期と同様になるとの見通しを示した。ただ他の地域のマクロ経済見通しは依然として不透明だと指摘した。 「季節性に加え、地政学的紛争と米国の選挙が不確実性を生み出しており、投資家の行動に影響を及ぼす可能性が高い」と分析した。 UBSは5月にクレディ・スイスの買収を完了した。 10月にルクセンブルクと香港を対象とする顧客口座統合の第1弾を完了し、シンガポールと日本は年末までに終える予定だとした。スイスは来年行う。 市場は買収を歓迎しており、UBS株は2023年3月にクレディ・スイス買収を発表して以来、60%超上昇した。