トランプ氏の「ビットコインカンファレンス」でのスピーチ、暗号資産の重要な瞬間に
5000万人の有権者、10万票: 奇妙なことになりそうだ
我々は健全な現実を知るべきだ。コインベースが示唆するように、5000万人の暗号資産保有者がいるとしよう。彼らは皆、本当にシングルイシューの有権者なのだろうか? いや、もちろんそんなことはない。 昨年、CoinDeskのマーク・ホフスタイン(Marc Hochstein)とのインタビューで、暗号資産調査会社メッサーリ(Messari)の創設者であり、ゲーリー・ゲンスラーSEC(米証券取引委員会)委員長とエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)のアンチ暗号資産軍団に対して、「戦争」を宣言したソーシャルメディアの暴れん坊ライアン・セルキス(Ryan Selkis)氏は、暗号資産を保有するすべての人が暗号資産推進派候補に投票するわけではないことをそれとなく認めた。 しかし、勝つために、そのすべての票が必要なわけでもない。 「数万票の差で勝敗が決まる州もある。だから、5000万人がシングルイシューの有権者になる必要はない。必要なのは、大切な地域での数十万票だけだ」とセルキス氏。 彼は正しい。私は、2024年のアメリカ大統領選挙は10万票(もちろん一般投票ではなく、激戦州での純得票数)で決まると考えている。だから、候補者が勝つためには、激戦地域でできるだけ多くの票を集める必要がある。 そして、バイデン大統領は暗号資産支持者に対処したり、彼らの票を求めて努力したりすることに関心がないように見えるので、すべてのシングルイシューの暗号資産有権者はトランプ氏に投票し、周囲の人々にもトランプ氏に投票するよう影響を与えようとするだろう。 このように考えると、共和党が暗号資産を重要な票を獲得するための価値ある分野と考えていることは、非常に理にかなっている。 さらに、このカンファレンスは人々がテネシー州までわざわざ足を運ぶ一大イベントでもある。トランプ氏はテネシー州の有権者に語りかけるのではなく、地理的に多様な(あえて言うなら……分散化された?)アメリカの有権者に語りかけることになる。 あまりにも理にかなっている。暗号資産は今や明らかにメインストリームに定着している。暗号資産は奇妙だが、アメリカの政治も奇妙だ。 そしてその奇妙さは続いていく。シークレットサービスがビットコインカンファレンスの会場に散らばっているのも奇妙だし、メインストリームメディア(金融やテック関連の記者だけでなく)がカンファレンスの様子を取材するために出席するのも奇妙だし、トランプ氏が残りのビットコインをすべてメイド・イン・アメリカにしたいと再び発言するのも奇妙だ。 状況が奇妙になると、奇妙な人たちがプロフェッショナルになるのだろう。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Danny Nelson/CoinDesk|原文:Trump’s Speech at Bitcoin Conference Will Mark a Pivotal Moment for Crypto
CoinDesk Japan 編集部